月刊OLN2021年 5月号

ごぶさたしております。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。

鯉のぼりは今年までかなって思っている今日この頃。

ぼくたちといえばどうにかこうにか無事に4月も終えることができました。
個人的には現在いくつか同時進行で新作づくりをしているので、けっこう頭と時間がパンパンです。
こういう時期は定期的に来るんですけど…。

今年のGW、オルンショップは5月1,5日は営業するのですが、2,3,4日はお休みにしたのでその間はいったん仕事のことはスパッと忘れてのんびりしようと思います。

はっきり割り切らないと子供との時間が中途半端になっちゃうので、切替えが重要です。
自営業、仕事と生活の境界線があいまいなので。
よくも悪くも。

それではサラッと5月の予定です。

5月1日 OTA CITY MARKET

5月1日、ってもう明日ですけど、群馬県内、お隣りの太田市でのイベントに参加します。
OTA CITY MARKET
時間は10:30~15:00。

OTA CITY MARKET
なかなかかわいいチラシです。
それだけで気分はアガります。

誘ってくれたのは太田市のセレクトショップ「too touch」さん。
全国に顧客を持つアパレルブランドでもあるんですが、ご自身のお店もすごく素敵です。

一昨年に参加した着物サローネの出展者説明会で隣の席にたまたま座って出会ってからのご縁です。
お互いに呉服イベントの雰囲気にちょっと馴染めていない点で親近感(笑)を覚えてしまいました。
(OLNはもちろん呉服で、to touchさんは地場産業を活かしたニットブランド「ota knit」として参加)

ちなみに太田市というのは自動車メーカー、スバルの生産拠点があることで有名です。
(でも本社はやっぱり東京なんですね。)
そのため財政が豊かなのでしょう、太田駅のすぐ近くにはおしゃれな図書館&カフェの施設があって、
市民の憩いの場となっています。
今回のイベントの会場もそこで行われます。

第一土曜日なのでオルンショップもやってますけど、その日はぼくが一人で。
OTA CITY MARKETはしのさんが長女を連れて参加します。

今月のイベントは以上!

つづいて4月のふりかえり。

4月3日~17日 菱屋さんの雪駄、草履オーダー会

はじめてオルンショップで開催したイベントでした。

店内ディスプレイも履き物一色になって季節の変化とともに気分一新。
ついでにオルンショップも4年目へ。

おかげさまで予想していた以上のみなさんにお越しいただけて、本当に嬉しかったです。
本当にありがとうございました。
常連のお客さまの中に引っ越しで東京に行かれる方もいて、お別れイベントとなりました。
そんなお別れも出会いも再開も、全部ひっくるめて人生ドラマです。
支えてもらって、応援してもらって、ちょっとだけ恩返しして。

菱屋カレンブロッソ
事前にオーダーしておいたOLNオリジナルの履き物たち。
菱屋カレンブロッソ
OLNの織物を使った花緒(鼻緒)たち。
どれも自画自賛。
本当にいい!

去年のマスクもそうでしたけど、いつもと違うことをすることで新たな出会いが生まれるものですね。

そういえば、菱屋カレンブロッソの社長、廣田さんには事あるごとに助言をいただいたりして、
ずいぶんとお世話になってます。
廣田さんのこだわりで進化したビブラムソール、好評です。

ぼくも自分の分をオーダーしてみました。
去年は買えなかったので、1年越しでようやくです。

今年の4月は楽しかったなあ、という印象なんですけど、
それが何故なのか、今、気づいたような気がします。

このあとにお話しする撮影会もそうですけど、4月のイベントはどちらも自分たちの仕事場である工場やオルンショップでの開催でした。
そのおかげで娘ともずっと一緒にいられました。
まだ小学校の低学年なので、親と一緒にいたいようです。(母95%、父5%ぐらいですけど…)
いつもの出張やポップアップだと、どうしても子連れというわけにもいかず、
もし連れていけても一緒に遊べるわけでもないので、子供としては寂しさと不満が溜まります。
もちろん子供なりに我慢してくれているのも知っています。

いつもであれば、「ごめん、仕方ないんだ」とこちらも割り切っているのですが、
今年の4月は「休日の仕事」と「子供との時間」とが、どうにか両立できたみたいで、
ぼくたちも子供たちもいい感じでした。

こういう仕事の仕方もあるんだな、と。
なるほど。

ちなみに泊りの出張前、ぼくは子供たちに後ろ髪を引かれて行きたくなくなるんですけど、
いざ家を出ちゃうと、もう家族のことがまったく気にならなくなるタイプです。

4月10、11日 志鎌康平「移動写真館」桐生ポートレート

すごく思い出に残ったイベントになりました。

お話を聞いた当初、ぼくたちの役割はシンプルに撮影場所を提供する地元の人、
みたいな感じなんだろうと思っていましたが、いつの間にかイベントスタッフでもあり、一般参加者でもあり、みたいな立場になっていて、最終的には完全に当事者となっていました。

もともとこういうイベントは嫌いじゃないです。
でも長いこと余裕がなさ過ぎて、それどころじゃなくて。
仕事に関係ないことは避けてきました。

今回も宮本さんに声を掛けてもらわなかったら、参加することは絶対なかっただろうなと思います。
巻き込んでもらえてよかったです、宮本さん。


さて当日の朝。
撮影会は10時からなので余裕をもって各スタッフは朝8時に井清織物に集合しました。

カメラマンの志鎌康平さん、このイベントの企画者でもありキュレーターの宮本さん、
前日のトークイベントから関わっている参夕(ニルス)の川島宗鳴さん、
自家焙煎の豆でコーヒーを提供してくれるTAKAさん、そしてオルンの井上家。

天気が心配でしたけど空は快晴。
たまに吹く風がちょっと冷たく、外にいると寒いくらい。

前日の打ち合わせの結果、工場の中で撮影に使いそうな場所はすでに片づけてあるので、
いつもより広く、綺麗に感じます。

みんなそれぞれの準備が進むにつれて、いつもの景色にちょっとずつ特別感が加えられていきます。

オルンショップの前の小部屋はこだわりの喫茶店のようになり、ショップと工場の間のスペースには
休憩する椅子がたくさん置かれ、雰囲気がでてきました。

すると清潔感のあるピアノ曲が小さな音で聞こえてきました。

宮本さんが用意してくれた音楽です。
山形ビエンナーレの時に作ってもらった楽曲とのこと。

シンプルで余白が多くて、創造的で優しい音楽。

「ああ、これなんだなあ」とぼくは朝から感動です。
まさにこの日のイベントに必要な最後のピースがハマった感触です。
「これから始まるのはきっと素敵なことに違いない!」という予感のような、でも確信しちゃっているような。
ぼくの文章の幼稚さはさておき、そんな気分でした。

志鎌康平 入口
工場の入り口には「LITTLE CAMERA HOUSE」。
志鎌康平
被写体である参加者さんとコミュニケーションを取りながらバッチリな一枚を探る志鎌康平さん。
TAKA
デビューを控えて、さながらオープン戦。
緊張しつつもやり切ったTAKAちゃん。
NILSクッキー
NILSさんのお菓子は売り切れたので二日目に追加が来ました。
見た目とお味、どちらもハイセンスで嬉しくなります。
撮影前後の参加者さんたちとコミュニケーションをとる宮本さん。
(と、すてきな建築家のF家のみなさん ※許可とってません。つねちゃんごめんなさい。)
石巻工房の椅子たちが大活躍。
ここには写ってないけど、パンセギャラリー藤井さんが用意した椅子は写真撮影用としてさらに大活躍。
オルンショップを作ってくれたパンセ藤井さん。母になったテキスタイルデザイナーの優衣ちゃん。とてつもなくかわいかったベイビーちゃん。
コロナが終わったらたっぷり抱っこしたい。

そのあとはもう、一組目のご家族が来てから、二日目の撤収が終わるまであっという間でした。
もちろんすごく疲れましたけど、終わってみたらあっという間、です。

いろんな思いが頭の中を駆け巡ります。

ぼくたちがなんとか残そうとしているノコギリ屋根の織物工場は、この土地「ならでは」の当たり前の風景です。
でもそれは世界中でも珍しい風景(たぶん)です。
そういう何気ない文化的な特色が、日常の風景として在るって贅沢じゃん?って思ってます。

東京から戻った頃、そう感じている人にはなかなか出会いませんでした。
唯一、セントマーチン帰りのセンバタヤの二人だけが「ここには織物の妖精が住んでる!」
と盛り上がってくれました。
(当時はまだ工場が散らかっていたから、というのも共感されなかった理由として大いにありますけど…。)
あれからいろんな人と出会ってつながって、少しずつ形になって。
ついにはこういう形で、誰かの役に立つ日が来るなんて。
本当に信じられない気分でした。

撮影会が終わった翌日は祭りのあとの寂しさ、みたいな感覚もわずかにありました。
でもそれ以上に、その祭りが行われた場所で今までも、これからも、
織物づくりっていう濃度の高い仕事を日々しているんだぜ、ってことが誇らしく思えたわけです。

イベントも楽しいけど、おれたちの日常は同じくらい熱いんだぜ、っていう。

そんな感じが心地よかったです。

何年かしたらまたやるんでしょうか。

その時は今よりも少し成長した姿を見せられたらなあと思ってます。

“オルンしのぶとクールファイブ”的な一枚。
左上から時計回りでリーダーの宮本さん、三夕(NILS)の宗鳴さん、TAKAちゃん、志鎌さん、オルンのふたり。

おわりに

そういえば2020年のGWって何をしてたんだっけ?と考えてみました。
「そうだ、ずっとマスクを作ってたんだ!」

あの時点で、もうすでにいろんな業者さんがマスクを作っていたので「今さら作るの恥ずかしいな」との思いもありましたが、なんせ仕事の予定が完全にゼロになってしまっていたので、後になって後悔するよりもやれることはやり切ろう、って覚悟で行動に移しました。

おかげでマスクをきっかけにぼくたちのことを知ってくれた人もいたりして、
ものづくりや商売でも多くのことを学ぶことができました。

どうも今年の後半もまだまだ大変そうなので、
今まで通りいろんなことにチャレンジしていくんだろうなと思ってます。

おわりに その2

人見知りの長女がなぜかヒップホップダンスを習いに行ってます。
実は昨年からです。
(家で音楽をかけると「うるさい!」って嫌がっているくせに、です。)
先日、2回目の発表会があったのですが、「お父さんは観に来ないで」と言われてしまいました。
1回目の時は一緒に会場に行ったのに…!
理由を聞いても得意の「だんまり作戦」がはじまったので、ぼくもすぐに諦めました。
遊ぶときはコキ使うくせに!笑

とはいえ。
ぼくも子供のころ、親に見られるのがすごく嫌だったのに、母は約束を破ってよく見にきていました。
何度言っても理解してもらえませんでした。
今だにぼくは人に見られてることが嫌です。
だから工場で格闘しているとき、父がこっちを眺めていると「向こうに行ってくれ!」と冷たくしています。
今も昔も、理由を上手に説明できないですけど「嫌なものは嫌」です。

そんなわけでぼくは長女の意思を尊重して、家で一人、アマゾンプライムの映画を2本観ることにしました。
運悪く2本ともイマイチ(個人の趣味です)だったんですけど、こうやって親離れ、子離れをしていくのかなと。
それはそれでいいなと。

お弁当
親の知らないところで、長女がお友達と二人で焼きそば弁当屋さんになっていました。
宮本さんからのオーダーでスーパーでの買い出しから調理までやり切ったみたいです。
500円は取りすぎだろと思いましたが、おやつに作ったクッキーはサービスで渡してました。笑
結局、そういうことで楽しいんですよね。

これで5月号はおしまいです。
今回も長かったですかね?

失礼しました!

それではみなさんよい5月をお過ごしください!

月刊OLN 2021年4月号

月刊OLN2021年 6月号

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