月刊OLN 2021年4月号

みなさんこんにちは!

春爛漫。
四月です。
春爛漫って言葉、今まで使ったことのない熟語ですけど、使ってみました。
春ならではの「少しだけ浮かれて、何かが始まりそうな感じ」を少しでも味わおうと思いまして。
今の世の中、そんなのん気な状況ではないのかもしれませんが、少しでもそんな気分になれたらと。

というのも。

先日、出張のために車で足利駅に向かったときのことです。
(もっと近くにある新桐生駅との使い分けは「桐生あるある」)
車から見える景色に、ぼくもしのさんも驚きました。

足利大学の桜並木はみごとに満開だし、渡良瀬川の土手一面は菜の花(だと思います。たぶん)で明るい黄色で染まっているし。

「え、いつの間にか春が来てた…?」
全然知りませんでした。

普段の生活ではそんな実感がなかったのでビックリしました。
いやいや感じてはいたんです。
確実に暖かくなってきたし、日が伸びたし、しのさんの誕生日に花を買ったり、庭にチューリップが咲き始めたり、そういう身近なところでの春の兆しは感じてたんですけどね。

コロナのせいで友人と会うこともなくなり。
子供を保育園に送り迎えすることもなくなり。
組合に定期的に行く事もなくなり。
もはや、ぼくの行動範囲は自宅と仕事場の往復(徒歩20秒)だけです。
ここ最近はとくに。
グーグルマップ的に見たらほぼ引きこもりです。

そうなると世の中の変化に気付かないものなんですね。
やっぱり「桜並木」とか「菜の花畑」とかサイズの大きいものを観たかどうかで
心理的に違ってきます。
大きな景色、たまに見ておきたいです。はい。

それにしても綺麗でしたよ。
春爛漫の景色。

東京カジュアル着物展

3月9,10日と東京カジュアル着物展に出展してきました。
今回は出展者も増え、講演会も充実して、お客さんの満足度も高かったようです。

ぼくたちも新作、新色を持っていきました。
結果はまずまず、といった感じ。
十分満足、としておきましょう。

毎回新たな出会いがあるのですが、今回は7~8年ぶりくらいにお会いできた方もいました。
ぼくたちの成長を感じてもらえたようで、嬉しかったです。
OLNはいつも新しい織物に挑戦しているので、こういう時に受け入れてもらえるとホッとします。
「やっぱり間違ってないんだ!」って。

結局、周りの人に支えられています。

定期的に取引をしていただくお客さまが早速、新作を仕入れてくれる。
あるいは久しぶりのお客さまが以前にも増してぼくたちの織物に興味を持ってくれる。
そういう積み重ねが自信になって、次への意欲にも繋がります。

今、呉服だけじゃなく繊維全般の業界って本当に厳しい真っ最中だと言われています。
それでも、力強く未来をたぐり寄せてる人たちは全国に沢山いて。
こういう機会に刺激とか希望とか(知恵や売上も)を互いに与え合っています。

次回は秋開催です。
その前後には「きものサローネ」も開催予定!

菱屋カレンブロッソ 東京ミッドタウン店

菱屋カレンブロッソさんの東京ミッドタウン店で「OLN」フェアが始まりました。
昨年からお取り扱いしていただいてまして。感謝。
で、ぼくたちも3月27日、28日とお邪魔してきました。
スタッフの皆さま、来店いただいたお客さま、本当にありがとうございました!
店長の中山さん、熱い気持ちで対応いただき、あらためて感謝です。
このあと説明しますが、OLNの鼻緒を使ったセミオーダー会、こちらの東京ミッドタウンでも開催してますので、そちらもお楽しみに。

東京近郊の方は4月4日までやってますのでぜひ足をお運びください。
(密にならない、オープンなお店の作りになってますよ。)

きれいな日傘はOLNのではありません。笑
八寸と上にかかっている麻のへこ帯がOLNの。

OLN shop4周年記念 “Calen Brosso × OLN オーダー会”

ここから告知です。

2018年の4月1日にオープンしてから早いもので3年が無事経過。
みなさんに支えられながらの3年間でした。
そこでお客様からの要望も多かったイベントの開催です。
菱屋カレンブロッソさんご協力のもと、オーダー会を開催いたします。
ぼくたちがセレクトした台とOLNの生地から生まれた鼻緒をご用意しました。
初めて出会える、あなたに「ちょうどいい!」デザインとサイズの一足をぜひこの機会に。

ところ:OLN shop
 とき:2021年4月3日(土)~4月17日(土)
    ※4月4、10、11日はお休みです。
    平日13時~17時 土曜10時~17時

「スケジュールが合わないよ~」っていう方はご連絡ください。
なんとかしようと思います。
そういう方、結構いるんじゃないかって気がしてきまして。

というのも。
じつは今日(4月1日)、ぼくたちが日ごろ糸染めをお願いしている染色工場さんにオーダーを頂きました。
「オーダー会の会期中、スケジュールが合わなくてお店に行けないんだけど…」ということで相談に来られたので、個別に対応させてもらいました。
そんなわけで、なにかいい方法考えます。
せっかく自分用の履物を誂えられる機会ですから。
ほんと。

つくりての縁

菱屋さんもそうですけど、仕事を通して知り合った作り手やデザイナーさんたちの縁というか輪が広がってきました。
みなさん、ぼくたちにはないものづくりの技術やセンスをお持ちです。
ぼくたちの帯と一緒に並べたら素敵だろうなあ、っていう商品にも数多く出会ってきました。
で、自然な流れで、そういった商品を少しずつ取り扱うようになりました。
基本的には着物に関するものです。
OLNの織物と相性が良さそうなものを厳選しています。
それと作品の品質や見た目だけでなく、人柄も判断基準にしたりしてます。
こういう方と一緒にお仕事したいな、とか、
この方が作ったものをウチのお客さんにも紹介したいな、という風に。

ちなみweb shopにはなかなかアップできていません。
自分たちのものづくりが忙しいのもありますけど、
基本的にはやっぱりお店で実物を見てもらいたいな、とも思ってます。

ぼくたちの本業はあくまで織物づくり。
なので、自分たちでは作れないけど、OLNの世界観を補ってくれる、そんなアイテムを仕入れています。

ちなみに。
今年もスラドキーさんの麻綿の着物と小地谷縮の反物を仕入れました。
新しいところでいうと、トリエさんの半襟、帯締め、ハルキモノさんの足袋(レディースのみ)、など。
あとアトリエニチカさんから可愛い帯留めも到着してます。
そのあたりはインスタなどでご紹介できればと思ってます。

ブログとSNS

最近の月刊OLN、写真が少なくてすみません。
手を抜いてると思われる方、いらっしゃいませんか?
正解です。確かに手を抜いています。ごめんなさい。
お許しを。
でもその代わりにインスタなどで日々の様子をアップしています。
ぼくもしのさんんも。
ちょっと前までは月刊OLNだけしかやってなかったので、ひと月に一度だけ広報活動を頑張ればよかったのですが、
今はSNS(instagramとFacebook)もしっかりやるようにしているので、その分、仕事量が増えてます。

なので本業を圧迫しすぎないように(あとストレス軽減)、割り切ることにしました。
写真を使うのはSNS、と。
そんな訳で月刊OLNはテキスト中心でしばらく行こうと思っています。
その方が無理なく続けられそうです。
月刊OLNは一回ごとの完成度よりも、続けることを一番の目標にしているので。

その代わり、文章中心だからこその場にできたらとも思っています。
伝えておきたいことは今のところ沢山あって。
こうやってアウトプットしないと発酵しちゃいそうです。

当初は誰が読むんだろうって思いながら続けていましたが、案外いろんな方に読んでもらっているようです。
おかげで初めてお会いする方でも、ぼくたちの考え方とか仕事内容とかを何となく理解してくれていて、助かっています。

ちなみに…
instagramのアカウントは、
OLN 公式アカウント→ @oln_sino(しのさんが管理していて告知や報告、日々のことをつづってます)
ぼくの個人アカウント→ @oln_yoshi(こっちで写真がんばってます)

FacebookのOLN/井清織物公式アカウント→OLN / 井清織物

となっております。

まだフォローしてないかたはぜひともフォローをお願いします。
その人数が増えることが励み(ほんとに!)になってたりします。

近況報告

さいごに近況報告をもう一つ。

最近、長男と漫画にハマっています。
週刊誌ではなく、単行本で。

これまでTVゲーム一辺倒だった長男ですが、突然漫画にハマりました。
昨年11月頃からPS(プレイステーション)5を買うために貯金を始め、お小遣いもクリスマスもお年玉も基本的にキープしていた長男でしたが、ゲーム機の製造が間に合わないほどの品薄状態が続いている間にその熱が冷めてしまい、貯めてきた資金をマンガに使い始めています。

おススメの漫画を紹介するユーチューバーがいるらしく、そういうところから情報を集めて、どの作品を買おうかと調べたり考えたりするのも楽しいみたいです。

ぼくが読んで面白かった作品に関しては、つづきの巻をぼくが代わりに買ったりするので、長男はそこを狙ってきたりします。
そのためのプレゼン資料のような、作品のあらすじを自分でまとめた文章を見せてくれます。
その「まとめ」が上手で面白かったりするので、そのやりとりも楽しんでます。

一時期、学校が大嫌いだった彼ですが、3月までお世話になった担任の先生のことが好きで、「その先生のおススメ漫画」のプレゼンもありました。

“大好きな学校の先生が好きな漫画”ということで親の財布の紐がゆるむことを念頭においての行動です。

…さすがです。
(「”察しの良さ”はピカ一」という称号を先生から与えられただけはあります)

ちなみに学校の先生が薦めてくれた漫画のタイトルは「ブルーピリオド」。
チャラい高校生が突然「絵を画くこと」に熱中し、美大を真剣に目指す物語です。(今はなんと東京芸大の1年生に!)

もちろん読みました。結局ぼくがハマっています。
そして二人で登場人物やストーリーについて語り合ってます。

そんな訳で、最近漫画まみれです。
サッカーやら、スパイやら、呪術やら、はたらく細菌やら、いろんなジャンルの作品が本棚に並んでいます。

そして、あらためてすごいですね、今の漫画って。
本当に面白いです!
こんな濃厚な作品を毎週描き続けるなんて、本当に信じられない!
頭が下がります。

ちなみにPS5に関しては
「みんなが買うって言ってたからオレもその気になってたけど、本当に欲しいわけじゃないって気づいちゃった」そうです。
「だいたいさ、プロゲーマーになんか、なかなかなれるもんじゃないよ。」
と少し挫折も味わったようです。

「そっか、夢から覚めちゃったんだな」と少し寂しい気もしますが、
そういうマイナスな経験があるほうが、漫画に出てくる登場人物の気持ちが理解できるから、それも悪くないって気づいたようです。

おわりに

ぼくが東京での仕事を辞めて家業の織物業を手伝うと決めたきっかけは
少し元気がなくなった父親の力になりたいという思いからでした。

最近、当時ぼんやり考えていたもう一つの理由を思い出しました。
それは「一生かけて道を極めるような仕事をしたい」ってことです。

どんな仕事でもやろうと思えば道を極められるのでしょうが、「帯を織る」という職人的な雰囲気に惹かれた記憶があります。

正直、あの当時の自分では着物の世界の魅力なんて何一つ理解できていませんでしたけど、だからこそ余計に惹かれたのかもしれません。

ウディ・アレンは自分の映画のなかで敬愛するマルクス兄弟の言葉を引用していました。
「私が入れるような倶楽部に入りたくはない」って。(たぶんこんな感じの意味)

ぼくも、そんな未知なる、ちょっと背伸びしないと理解できない、でも古くからある和の世界に惹かれました。そしてやっぱり、その素晴らしさに少しずつ気付かされています。

そしていろんな作り手、伝えて、使い手のみなさんと知り合うことで、その魅力は奥深くなっていきます。

そんな訳でこれからも自分たちのやり方で、少しずつ、でもしっかりと成長していきたいなって感じてます。

まだまだ大変な状況は続きそうです。
それでも楽しいこと、学べること、初めてのことなど、可能な範囲で挑戦していこうと思います。
そんな2021年の春にしたいです。

それではみなさんにとって素晴らしい4月になりますように!
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ではでは~。

月刊OLN 2021年3月号

月刊OLN5月号月刊OLN2021年 5月号

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