OLN/井清織物

こんにちは!

私たちは1300年以上も前から織物を作り続けてきたこの土地で、旧式のジャカード式シャトル織機を使い帯を織っています。 オルンの織物もすべてこの小さな織物工場で作られています。

織物の仕事は作業工程が多岐に分かれるため、 各工程ごとにそれぞれ専業の職人が数多く存在しました。 しかし現在は高齢化とそれにともなう廃業が相次ぎ、 頼りにしてきた技術が少しずつ途絶えようとしています。

そのため私たちはデザインや織ることはもちろん、 織機の調整、修理、織物設計の技術など さまざまな熟練の職人達に教えを請い、習得してきました。 多くの人たちに助けられながら、 その学びは今もなお続いています。

そして現在、私たちはOLNという活動の中でこの先も織物業を生業として生きていくための知恵と技術と経験とを新たに学んでいます。産地問屋さんに頼りきっていた織物業から、一歩踏み出しました。呉服業界以外の方たちとも仕事をすることで「小さくとも自立した織物業」という夢の実現へ進んでいる真っ最中です。

帯づくりの経験はOLNの活動に活かされ、OLNの経験は再び帯作りへ還元されていきます。

生活と仕事を同じ環境で行うという昔ながらの職住一体。 暮らしの喜びと、ものづくりの喜びとが互いに作用しあい、 有機的な流れが渦のように循環しています。

そうして生まれた織物たちが、 日々の暮らしを彩ることができたならどんなに素敵でしょう。

OLN

OLN(オルン)は2014年、群馬県桐生市にある井清織物で
和装の帯を織る夫婦二人がはじめました。

OLNは「織物で日々の暮らしを彩る」ための
生活雑貨やストール、そして帯のブランド名であり、
これからの織物業の在り方を自由かつ誠実に考え
実践するための活動名です。

OLNは桐生の方言「織るん?」から来ています。
私たちは日々生まれる織物のアイデアを形にしています。
「今日は何をOLN?」

井清織物

「イノキヨ オリモノ」、と読みます。
※だけど、よく「イセイ オリモノ」と読み間違えられます。 慣れているので気にしないでください。 訂正するタイミングがなくて、そのままインプットされてしまうこともあります。
祖父である井上清(いのうえきよし)が創業者です。
名前の略で「イノキヨ」です。
こういった姓名の読み方から二文字ずつとった会社の屋号はこのあたりでは多いようです。
(そもそも井清織物は戦前「井甚(いのじん)織物」の第二工場でした。曾祖父である井上甚太郎(じんたろう)の織物工場だから「イノジン」なのです。)

井甚織物第二工場は 井上清を工場長として戦前から稼働していたのですが、敗戦とともにゼロから出直すことになりました。残っていた屑糸を材料に使って半巾帯を手機で織ったよと祖母のムラさんから聞いたことがあります。そして昭和28年3月11日、本家から独立する形で現在の「有限会社井清織物」という名前になり会社として設立されました。

それから数年前まで、井清で織られた帯の100%が地元の産地買継商に卸していました。

しかし急速な業界&産地縮小にともない、今まで通りのやり方では工場を継続することはできないのでは、という声が次第に多く聞かれるようになりました。

また自分たちが成長していくにつれ、作りたいものや技術も進化し、その結果、従来とは違う仕事の考え方が必要になっていきました。

暗中模索しつづけるなか、嬉しいことが起きました。
私には世界でいちばん素晴らしいと思っている織物(帯)があるのですが、それをプロデュースしている人物に認めていただけることがありました。

このことで今まで以上に「自分に正直な、純度の高い仕事」に向かっていきたいという思いが強くなりました。

やがて井清織物と並行してOLNをはじめることになりました。
OLNはブランドであり「活動」です、といつも言っています。
呉服業界の複雑な商習慣が苦手でストレスに感じていた私と、それらを全く知らない妻との二人が、自分たちの思う「普通の織物業」を手探りでひとつひとつ見つけていく、そういう活動です。

その結果、今までとは比べものにならないくらいにやることが増えました。
これまで買継商さん、その先の問屋さんがやっていたことをしなければいけないのですから。
作って終わり、ではなく、自分たちの織物の価値を伝えるという重要な作業です。

どうやったらオルンの織物を扱ってくれる小売店さんと出会えるのか。
どうやったらオルンの織物の魅力を正しくみんなに伝えることができるのか。
資金も人間の数もわずかな織物工場にとってムリのない仕事の方法とはどんなものなのか。

解決しなければいけない問題は山積みで悩みは尽きませんが、それでもはっきりと言えることがあります。
オルンを始めてよかった!と。

私たちはモノづくりの仕事が面白いと思っていて、それを生業としたいので、そういう種類のストレスは望むところです。
なので、そういう環境をつくるための努力なら頑張れます。

でもそれ以外のことで悩むのはちょっと向いてないんです!

oln2014.jp

「oln2014.jp」はこのホームページのアドレスです。
2014年にはじめたのでoln2014です。

井清織物は設立が1953年です。
従業員数も多い時は50人くらいいたそうです。
でもそれはすべて過去の話。
伝統や歴史では食っていけるほど世の中甘くありません。
現実はビター。
大人の味です。
だから「後ろは振り向かないぜ」と割り切って、今の自分たちの等身大のアドレスにしました。

デザインから試作作り、量産の製織、縫製、商談、展示会、販売会などさまざまな作業を少人数で行っている私たちにとって、このoln2014.jpというホームページはモノづくりをしない唯一のスタッフ(のようなもの)です。

その役割は…
オルンに興味をもっていただいた方々への広報係であり、
オルンのアイテムを取り扱って頂いている小売店さまへのカタログでもあり、
お買い物をしてくれる皆さまには販売スタッフとなり対応してくれています。

いつもは工場の織機やミシンの前で仕事をしている私たちにはできないことを数多くこなしてくれています。

もちろんinstagram、Facebookもやってます。
ぜひそちらもご覧下さい。

OLN shop

オルンの工場手前には現在OLN shopという工房兼ギャラリーのスペースがあります。
2018年の4月にオープンし、地元や近隣の方々に支えられながらマイペースに営業しています。
それとOLN web shopというオンラインストアがあります。
こちらは「BASE」というほとんど費用をかけず運営できるウェブサービスを利用しています。
そのどちらも私たちが織物業としてこれからも継続していくためには欠かせないものとして始めました。
おかげさまで少しずつですが皆さんのお役にたてているようです。

それとショップをやってみて新たな発見もしました。
ひとつは意外と着物(浴衣はもちろん)を着ている人が多いという事実。
意外であり、すごく嬉しいです。
それと、自分で苦労して作った織物に対価を払ってもらえるということが、こんなに充実感のあることなんだと知ったことです。

もしいらっしゃる際には電話かメールか何かしらの方法でスケジュールの確認をしてもらえると嬉しいです。
営業日だけど出張で不在にしていたり、休日だけどショップ内で作業していたりと実際は不規則なもので。

オルンの織物

私たちが作る織物はあまり他では見ることのできないものが多いです。
でもそれは奇をてらった奇抜なデザインという意味ではなく、あくまで自分たちの技術(設備)の範囲内で工夫を凝らしたうえで、本当に「自分たちでその値段を出して買いたい」と思えるものを生み出していたら、自然とそうなっていたという意味です。

小物雑貨やバッグなどもすべて一から考えたオリジナルデザインです。
(服飾系の学校で学び、アパレルでデザイナーとして仕事をしていた妻(通称:しのさん)が毎回アイデアを出し、すべて自分で形にしてしまいます。)

ですので、アイテムによっては実物を見て、触れてみないとそれがいったいどんなものなのか分からないものがあります。
帯などは特にそういうものが多いです。
ですので私たちが小売店さまやギャラリーなどでポップアップなどをするとき、あるいはクラフトフェアなどに参加する時にぜひお越しください。
そこで確認してみてください。
素材からこだわったさまざまな織物や雑貨の実物に触れてみてください。
そして納得のいったその時にお買い求めください。

遠方のお客さまへ

とはいえ、OLN shopのある群馬県桐生市から遠くにお住いの方も多くいらっしゃいます。
ですのでそういう時はご連絡ください。
お住まいの地域によってはお近くのお店をご案内できるかもしれません。
とくに帯などはできれば信用のおけるお気に入りのお店で、お店のスタッフさんと相談しながら買っていただく方がいいと思います。
なのでOLNと取引のある小売店さまへ商品を送って、そこでお客様に実物を見ていただいて気に入ったらその小売店さまで購入していただくということもしています。
詳しくはお問合せ下さい。
そのあたりは毎回お客さまと小売店さまと相談しながら、お互いにムリのないようにやっています。

小売店さまへ

そいうわけで私たちはオルンの商品を扱っていただける小売店さまを常に探しています。
東京で行われる合同展示会などにも参加していますので、ぜひお会い出来たらと思います。
ただ、すでに同じ商圏にお得意様がいる場合は大変申しわけないのですが、お取引ができない場合もございます。
お許しください。

OEM

今まで通りお取引先の別注製作(OEM)は会社のメインとしてやっていますので、お気軽にお問い合わせください。

井清織物概要

会社名
有限会社 井清織物(いのきよおりもの)

会社沿革
明治33年(1903年) 井上甚太郎が織物業を創業( 井甚(いのじん)織物 ) 
昭和初期  井甚織物第二工場として現在の場所で新工場が稼働する。
     工場長は井上甚太郎の次男、井上清(きよし)
昭和20年(1945年)  戦時中に織機を全て供出したため 、工場長の井上清と妻ムラの2名により手機織機による帯の生産で再開。
当初は工場に残っていた屑糸で織り始めたという。
昭和28年(1953年)3月18日 本家より独立し、井上清が代表となり有限会社井清織物を設立。
昭和34年(1959年) 井上清の長男、井上晴睦(はるむつ)が2代目代表に就任。
昭和50年(1975年) 井上清の次男、井上舜永(きよなが)が3代目代表に就任。
平成19年(2007年) 井上舜永が伝統的工芸品産業功労者褒賞を受賞。
平成26年(2014年) 織物で日々の暮らしを彩るをテーマに「OLN(オルン)」の活動がはじまる。
平成30年(2018年) 井上義浩が4代目代表に就任。

業務内容
創業以来、販売先のほぼ99%が地元買継商への卸で呉服の帯地が主力商品。
自社商品ならびに、取引先のオリジナル別注品の製造を請け負う。

2014年からスタートした自社ブランドOLN(オルン)では
「日々の暮らしを織物で彩る」をテーマに帯、生活雑貨の製造、販売を開始。
現在では販売(卸)先のほとんどが小売店、消費者となる。
「デザイン→製造→検品→納品」を自社で行い、関連工程の多くを桐生産地内で行うため、品質の管理は徹底している。

「自社設備」

シャトル織機11台 レピア織機1台 織物デザインシステム 整経機  など

住所

〒376-0002
群馬県桐生市境野町6-344

電話

0277-44-3568

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