月刊OLN 2020年6月号

みなさんこんにちは。

いかがお過ごしですか?
夜明け前みたいな雰囲気で、息をひそめた感じのままで6月に入りました。

ほとんどの地域で緊急事態宣言が解除され、すこしずつ日常が戻ってきてくれそうな気もします。
根拠のない期待なんですけど。
でも、それでも、やっぱり期待しちゃいます。このまま少しずつでいいからうまくいってくれ、って。

そんな気持ちになるちょっと前のこと。


ぼくは2週間ほどのあいだ、織物不良の原因が分からず一人で織機と格闘しつづけていました。
その間ずっと緊張しっぱなしでした。

職場と自宅がほぼ同じなので、もともと家族以外の人と会うことが少ないのですが、コロナの影響で外で人と会う仕事もゼロになり、ひたすら織機とだけ向き合っていました。

で、ようやく解決したなという日、堰を切ったように次から次へとぼくにとって大事な人たちと偶然お会いしたり、メッセージを交わしたりしました。


その日の夜、毎週録画をしたまま視聴できずにいた「ベストヒットUSA」を観ました。
特集はキャロル・キングです。
キャロル・キングのデビューアルバムにして最大のヒットアルバム「タペストリー」は音楽の趣味が異なるぼくたち夫婦にとって珍しく共通の愛聴盤でした。

番組で選曲されたのは「ユー・ガッタ・フレンズ」のライブ映像。
日本語訳が付いていたのでその世界にたっぷりと浸ることができました。

とっても有名なアルバムジャケット。
たぶんアナログもCDも持ってるはず。

「何もかもが上手くいかないと感じたときは私を思い出して。
 呼んでくれたらすぐに行くから。
 あなたには友達がいるのよ。」

翻訳された歌詞をじっくりと味わうまで気づかなかったのですが、ぼくが織物の仕事で伝えたいこととよく似ていました。

大きな声で自己主張はしないけれど、
心を澄ませばその存在の確かさに気づく。

数年前の八寸なごや帯の作品で、「tsubu」シリーズや「約束しよう」「確信する」などはまさにそういうテーマで作ったものたちです。

それがOLNの世界観の土台になっていて現在にまでつながるのですが、その原風景みたいな曲がこんなに身近にあったなんて。

ありがとう、ベストヒットUSA!
ありがとう、小林克也さん!

OLN 6月の予定

さて6月はOLNの新作がいろいろと出ます。
人との交流はありませんが、ものづくりの手は止めてません。

新商品の紹介の前にまずはもうすぐはじまるこちら。

「わびさびや 夏のOLN展」

毎年、わびさびやさんのギャラリースペースで開催してくれている「夏のOLN展」。
さすがに今年は例年通り、というわけにはいきません。

現在わびさびやさんは店舗スペースを縮小して営業をされているため、OLN展は従来のテーブル席のあたりで商品を展示販売させていただくことになりました。
(※わびさびやさんは人気店なので普通に営業してしまうとどうしても混んでしまうのです。)

こんな状況なのでどういう風に開催するのが正解なのか分かりません。
それでも、オルンらしく日々の暮らしが楽しくなるような企画展を目指します。
来てくれた人たちがぼくたちの織物アイテムを見て、気持ちが少しでも明るくなったらいいな。
そんな風に願ってます。

場所:わびさびや
期間:6月5日~14日
https://www.instagram.com/wabisabiya/?hl=ja

「折り紙トート」

さて、わびさびやさんで発表する新作シリーズの紹介です。
まずはバッグ。
今年も新しいカタチのバッグが誕生しました。
折り紙のように変形するのでその名も「折り紙トート」。
そのまんまですね。

いわゆるあづま袋の進化版です。
オルンらしく、ちょっとした工夫がユニークで実用的。

こんな感じで肩からさげられて。
なんとこのサイズにまで畳めます!

しのさん、連日サンプル作りを繰り返してついに完成!と思ったのですが、昨日ちょっとした改善点(しかし重要)が見つかったため、今日もミシンの前で格闘です。
しのさん完成は間近だ。頑張れー!

「麻織物のテーブルウェア」」

続いては麻の織物をつかったテーブルウェアのシリーズ。
・コースター
・ティーマット
・ごはんマット
の3種類。

サイズ感を簡単に説明します。
コースターはいわゆるコースター。
ティーマットはコーヒーカップとデザートがのるイメージ。”わびさびる”のに丁度いいです。
ごはんマットはお茶碗とお椀とお箸の3点がのるサイズ。今までのプレイスマットよりも一回り小さいので使い勝手がいいと思います。

自宅での時間が多くなる「新たな日常」もこれから暑い季節を迎えます。
そんな時は麻の織物でおうち時間を楽しく、涼やかにしませんか?という提案です。

消して早くないスピードで生み出された織物だからこそ感じられる温かさのようななにかがあるのでは、と思ったりもします。

生地を洗って裁断して縫製して周りのフリンジを整えてるところ。
この後もう一回洗ってアイロンあててフリンジをもう一回整えます。
麻なので洗うとカタチが見事に崩れるのだけれど、
その不規則さが大きな魅力でもある。
でも作業するのはかなり大変でもある。

それとOLNの定番アイテム「スタンド」にも麻バージョンが加わります。
個人的にスタンドはメガネ置きとして毎日使っていて
夏っぽいものが欲しかったので嬉しいです。
ちなみに今回の新作ラインナップはすべてしのさんが考えてます。
ナイスです。

今回の新作で使っている麻生地はOLNの活動が始まる前から手掛けているリネンの太番手でコシのある織物です。
透け感があって、独特の光沢と風合い。
※この商品は麻の平織りだけの生地を使っているものと、
白くて太い綿糸が織り込まれた生地を使っているものの2種類があります。

「雪駄」と「草履」

そして菱屋カレンブロッソさんとのコラボアイテム「雪駄」と「草履」。
オルンの花緒と菱屋さんのEVA素材。
昨年好評だった履物シリーズの提案です。
今回も数量限定です。
ふつうに、凄くいいですよ!

「帯の新作」

新作という点では他に綿麻の半巾帯や角帯、麻和紙の角帯、麻のheccoの新バージョンなどもあるんですが、それはまた別のタイミングでご紹介します。

「坂本呉服店」

昨年もお世話になった坂本呉服店さん。
今年も、ということで話を進めていました。
しかしやはり状況が。
こちらもわびさびやさん同様に通常のまま営業をしてしまうと店内が密に。
お店の人もお客さんもキャラが濃いからよけい密な感じに。
もちろんいい意味です。

今日の時点ではまだはっきりと決まっていないのですが、
でもやらせていただく予定です。

坂本呉服店さんもわびさびやさんもいつもであればDMを作ってみなさんにお届けするのですが、今年は前もって動くことすらできなかったのでSNSのみでの告知になるかと思います。

どんなカタチになるかはもう少々お待ちください。

八王子、いいところだよなあ。

昨年の写真。素敵なお店です。

場所:坂本呉服店
   東京都八王子市横山町10-14 網代園北側1階東店舗
URL:https://www.sakamoto-gofukuten.com/
期間:6月19日~21日

「新宿髙島屋 桐生の3つの手仕事店」

そしてそのあとすぐです。
6月24~30日は新宿髙島屋さんで「桐生の3つの手仕事店」を開催します。
場所は新宿タカシマヤタイムズスクエア2階。ですけど、〇〇から歩いてくるばあいは1階のイメージです。
東急ハンズさんと髙島屋さんをむすぶエスカレーターの前の特設会場です。

本当にできるのかギリギリまで分からなかったので、現在急ピッチでDMを制作してます!

昨年「かまわぬ 浅草店」さんでのイベントで誕生した「桐生の手仕事店」というつながり。
桐染の平本さんが呼び掛け、さらには平本さんがグラフィックデザイナーとしても大活躍をしてくれたおかげですごくいい感じの出張クラフトフェアとなりました。

そして今年はOLNから声をかけさせてもらいました。
メンバーはOLNと桐染さん、そしてcom+positionさん!
今回もグラフィック関係(たぶんSNSも…!)を平本さんが担当してくれてます。
楽しみ!
感謝!

先週OLNの撮影も行われました。
カメラマンは平本さんのご紹介の「日のこと写真館」高木さん。
奥様が桐生出身ということでちょっと前に桐生に移住してきたとのことです。
清潔感があふれている優しい青年。
インスタで拝見した写真のイメージと重なります。

こんな感じで撮ってくれてたんですね。

DMの完成が待ち遠しい!

お祭りはなくなったけど、おうちで日本の夏を満喫するのもいいと思います。
浴衣、帯、バッグ、帽子。
メイドイン桐生の夏のあれこれ。
新宿でお待ちしてます!

場所:新宿タカシマヤタイムズスクエア2階 東急ハンズ側エスカレーター前
期間:6月24日~30日

「それと その①」

オルンもインスタやってます。
ぼくとしのさん、別々のアカウントでやってます。
インスタはスマホじゃなきゃできないのでウチではそれぞれでやってます。

先にちゃんとやり始めたのがしのさんなのでOLNオフィシャル(プロ?)アカウントがしのさん。
@oln_sino

後から始めたのでぼくは普通の個人アカウントです。
@oln_inokio_orimono

本来ならばマメに更新するべきなのですが、作業で頭がパンパンになっているときは一切やれません。
なので二人どちらか少しでも余裕がある方が更新させている感じです。
でも4月、5月は二人ともが余裕なかったみたいです。
特にしのさんのインスタ、4枚前の投稿が保育園の卒園式…。

「ちょっとっ!」とツッコミはしません。
できません。
マスクをつくりはじめてからというもの、しのさんは頭が上がらない日々が続いています。
日々というか、年々。増々。
そういう力関係、ご理解のほど。

そんなわけでインスタもよろしくお願いいたします。

「それと その②」

昨日、東京カジュアル着物展の出展者募集が来ました。

この業界では珍しい、カジュアルものの合同受注会です。
作り手から小売店さんへの提案の場です。
産地や業界、あるいは和と洋の垣根をも飛び越えた、ある意味「キモノ的世界観」に関する合同展。
王道、本格派からインディーズ、アイデア商品、あるいは手作り作家さんまで包括してます。
「ここでは基本的にお互いが競争相手ではなく、仲間という意識でやろう!」
主催者の一人である三勝の天野会長は繰り返し言ってます。

今、誰も経験したことのない状況に突入しました。

もともと厳しかったところで、さらにです。

同業他社さん(うちで言えば帯屋さん)は普段は仕事を取り合うライバルだったりもしますが、同時に今の時代を同じような志を持って生き抜こうとしている並走者でもあります。

個人的には10年くらい前では想像もできなかったくらいに他産地の知り合いが増えました。

知り合う前は警戒しまくりでビビっていましたが、いざ1対1でお会いしてお話させていただくと、魅力的で信頼できる人が多いです。

秋のカジュアル着物展には参加すると思います。
お互いに元気な顔で会いたいです。
大変ですけど、がんばりましょう。

開催は秋、10月。

「おわりに」

キャロルキングの「タペストリー」というアルバムは見事に名曲だらけで他にもいい曲が沢山あります。
しのさんにどの曲が一番好きなのか質問してみました。
答えはなんと「ユー・ガッタ・フレンズ」とのこと。
歌詞が好きなんだそうです。
そうなんだ。知らなかった。
(ベストヒットUSAでこの曲を以前放送したときに、番組のテロップで日本語訳をはじめて知ってすごく印象に残ったらしいです)
…やるじゃん、しのさん。
さすがです!
いいセンスしてますよね!
かわいい!
頼りになります!
※頭が上がらないから誉めているわけではありません。
※みなさまご理解ください。

それではみなさんよい6月をお過ごしください。
では。

月刊OLN202 0年5月号

月刊OLN 2020年7月号

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