月刊OLN 2019年6月号

みなさんこんにちは!
今回は現在進行形のものづくり、6月のイベント情報などを書いてます。
また長くなってます。お暇な時にでも読んでくださいませ。

さて、ただいま新しい織物に挑戦中です。
絹の半巾帯の別注品。
大島紬にも合わせられ、プラスOLNらしさも感じられる、そんな織物。
4月からいろいろと試作を繰り返してきました。


5月中にサンプルを完成させなければいけなかった絹の半巾帯。
しかしなかなか納得のいく生地ができず、やばい、もうすぐ6月…。
担当してくれているお客様を待たせてしまっているのでOLN6月号を書いてるどころじゃなくなりました。

しかもそんな時に新たに試した特殊な風合いの糸を試織したところ、
ちょっとした不注意からかなりの本数のタテ糸をバサーッと切ってしまいました。
「復帰はできるけど相当な時間がかかるな」とすぐに分かります。
補修をし始めたところで5月は終わり。、
試織に使おうと思っていた6月最初の土日の2日間、
まるまる補修作業に充てることになりました。

6月1日からわびさびやさんでの夏のOLN展がはじまってましたが、お店には妻しのさん)が在廊し、ぼくは工場でひたすら落ちたタテ糸を一本ずつ絡まないように拾い、あるべきところに順番通りに通し、筬の目から織り前へとタテ糸を抜いていきます。
焦る気持ちはあるけれど、こればっかりはどうしようもありません。
自分が一人で織機を止めて仕事をしている時の工場はとても静かで集中できます。
いつもは織機の音がすごいので無理ですけど、こんな時はラジオや音楽を聴けるのも非日常な感じで好きです。
そして頭と手を使ったこのチマチマした作業、大変だけど苦手ではないのです。
好ましくない状況ですけど、ミッションを淡々と解決していく感じは嫌いじゃないです。
これがまた。

お昼ご飯の時間を知らせに来た長男が
「タテ糸ってどれ?」と初めてそういうことを質問してきました。
いままでも仕事についての会話は普段からよくしてますが、
「なんでウチは儲かってないんだ!」とか
「もっと安売りした方がいいじゃない?」とか
「萬平さんみたいにもっと考えに考え抜いて新作を作んなきゃダメだよ!」(※朝ドラ「まんぷく」の影響時)
という厳しいコメントはこれまで頂いてきましたが、
「商売」ではなく「ものづくり」に近いところの質問だったのが新鮮でした。

保育園の娘も「織物ってなに?」というシンプルで深い質問をボソッとしてくれました。

こういう話をすると一般の方はすぐに「頼もしい後継者がいて安心でしょ」的なコメントを仰られるのですが、
「いやいや実際はそんな甘い話はありませんよ」とぼくは心の中でつぶやいてます。
うっかり声に出している気もします。
相当な苦労をする覚悟がなければ親の仕事なんて手伝ったり、継ごうなんて考えるもんじゃないです。
甘い考えで一緒に仕事をしたいと考える家族よりも
真剣に取り組もうとする赤の他人の方が一緒に仕事をしたいし、任せたいとも思っています。

ひたすらタテ糸の補修作業中、しのさんからlineが来ました。
新作の八寸帯が売れたよ、という連絡です。
その帯は昨年末から今年にかけて生み出した織物で、二人の自信作でした。
と同時に本当にいろんな思いが詰まった織物で、売れたという報告を聞いてぼくは心から嬉しかったし、作った頃のさまざまな状況とか気持ちとか思い出して、
一人でジーンと静かな感動に浸っていました。

そんなこってりとした2日間で6月がはじまりました。

さてさて6月もイベントが盛りだくさんです。

5/31(金)~6/17(月)は手ぬぐいで有名なかまわぬさんの浅草店舗2Fにて
「桐生の7つの仕事店」を開催中です。
浅草は桐生の人にとっては非常に馴染みのある土地です。
なにせ特急りょうもう号の始発、終点駅なのですから。
ぜひ浅草へ遊びに行きがてらお店へ遊びに行ってみてください。

かまわぬ浅草店HP
https://kamawanu.co.jp/shop/asakusa.html

イベントの様子はキュレーションからDM作成まですべてこなしちゃうすごいヒト、桐染(きりせん)の平本さんのFBから。桐染さんは特殊な技法で浴衣の生地を染めたり素敵な小物を作ったりしています。
https://www.facebook.com/profile.php?id=100003318279132

5/31にレセプションパーティーがあったのですが、例によって記録的な写真を一枚も撮っていないので、「上毛かるたせんべい」の星野よっちゃんにもらった画像で紹介します。
ちなみに上毛かるたせんべいHP
https://www.jomokrt.com/

エントランスから賑やか。そういえば桐生名物「コロリンしゅうまい」について解説してくれた”しゅうまい潤”さん、面白かったな。
店内に入ると桐生の地酒、コロリンしゅうまい、わびさびやさんのジェラート、Bakeryさんのパンがお出迎え。手拭いの前で佇む黒い大きな男性は浅草の草履メーカー堀越さん。お世話になります。
なんともオシャレなケーキ、ではなくパン。桐生の人気店THE BAKERY。
2階が「桐生の7つの仕事店」の会場。店長さんも熱心に話を聞いてくれました。星野家長男君の顔を隠しているのがお土産に人気の「上毛かるたせんべい」。
最後にみんなで記念撮影。右奥がかまわぬ担当の森下さん。なんと桐生出身。

6/1(土)~6/16(日)は地元桐生、わびさびやさんで夏のOLN展をやってます。
今年は麻の半巾帯、綿麻の半巾帯「wataridori」、綿麻のへこ帯など新作が充実しています。
いつも人気のバッグ類ですが、桐生の帽子ブランド「コンポジション」さんに協力していただいた
ブレードミニトートが一押しです!
また今回は新たな取り組みとして日本橋の老舗、三勝染さんの浴衣反物も用意しました。
OLNの帯に合うものを3柄セレクトしました。
また、アクセサリー作家niwaさんも新作の帯留をこのタイミングに合わせて作ってくれました。
こちらもOLNのテイストに合わせてくれていますので、コーディネイトもバッチリです。
さらには会期中にはOLNの初オリジナル浴衣、雪駄も登場しますのでお楽しみに!

わびさびや店主の高野きんさんのインスタはこちら。
@wabisabiya

わびさびやHP
http://www.wabisabiya.jp/

お店の奥がこんな感じで涼やかです。
右を向くとこんな感じ。左側には雑貨、小物がたくさん。
いつも素敵なDM。奥様の道子さんが作ってくれます。さすが。

6/21(金)~6/24(月)は八王子にある人気店、坂本呉服店さんで初のPOP UPです。
昨年の夏に八王子の「つくるのいえ」でお会いできたご縁をきっかけに
こんな機会を設けて頂けました。
(奥田染工場の奥田さん、感謝してます! 八王子に行けば会えるでしょう。多分)
八王子はなかなかの呉服店の激戦地(呉服店の激戦地があるという事実がそもそもすごいと感じます)なのですが、全国的な規模で見ても坂本呉服店さんはかなり個性的だと思います。
決して奇をてらっての個性的ではなく、店主の坂本直美さんの「着物って楽しい!みんなにも楽しんでもらいたい!」という等身大の素直な感性がそのまま表現されています。
(※ぼくの勝手な解釈です。)
ぼくたちOLNも土日(日曜日は途中までかな)はお店へお邪魔してますので
ぜひこの機会に一度八王子まで遊びに来て下さい。

坂本呉服店HP
http://www.sakamoto-gofukuten.com/

寒い時期にお邪魔したときに外から撮ったお店の雰囲気。やっぱり素敵です。店内はさらにいいんです。

6/24(月)~7/7(日)は昨年もお世話になった日本百貨店おかちまち店さんでのPOP UPです。
このお店の店長の植木さんが着物好きということで、いろいろと相談にも乗ってもらったりしました。
ものづくりのまちとして人気の御徒町。
ガード下の個性的なお店が並ぶ地域といえば分かる方も多いかもしれません。
日本百貨店おかちまち店はそこにあります。
店内には日本中のお洒落で楽しいローカル色の濃いお土産や雑貨が所狭しとならんでいます。
ぜひ街歩きがてら遊びに来てくださいね。
(ちなみに7月12日からは横浜のあかれんが店でもPOP UP開催です。)

日本百貨店HP
https://nippon-dept.jp/

ちなみに今年はじめてOLNのオリジナル浴衣を作りました。
綿紅梅の気持ちのいい生地を使っています。
捺染は同じ町内の平賢さんにお願いしました。
いまや桐生てぬぐいで大変有名です。

シルクスクリーンでOLNの浴衣生地を捺染しているところ。作業しているてっぺいさん。身も心もイケメンな人。しかも穏やかで熱心。

またオリジナルの雪駄も作りました。
浅草の堀越さんという老舗に協力していただきました。
息子の圭介さんとは何年も前からの知り合いでようやく一緒に仕事ができました。

実は浴衣の反物、雪駄、そのどちらもまだ出来上がっていないのですが、
それはぼくたちの発注が遅くなってしまったせいでして。
さらには一番混む時期でもあるので。

とにかく出来上がりを見るのが楽しみです!

それではみなさま、素敵な6月をお過ごしくださいませ。

OLN shop店内 春月刊OLN 2019年5月号

毎日履きたくなる「雪駄・草履」

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