みなさんこんにちは。
最近、朝の早い時間帯は涼しくなってきましたが、日中はまだまだ猛暑、酷暑!
ぼくたちの住む群馬県桐生市はそんな感じですが、みなさんのお住まいの地域はどんなでしょうか?
(ちなみに今日は久しぶりに日中気温が30度を下回っていて実に快適!でも明日からはまた暑いらしいです。)
「楽しむ織物」
本日9月1日(火)から「ギャラリーFROMまえばし」さんで「OLN 楽しむ織物」展がはじまりました。
おかげさまで前橋の常連さんやお久しぶりの方、さらには最近OLNを知ってくれた方などが来てくれてお買物を楽しんでくれているようです。
土日はしのさんも在廊してますが、平日はオーナーの高橋さんがいつもの感じで気さくに接客をしてくれています。
高橋さんの考えた「楽しむ織物」っていうフレーズ。素敵な言葉だなって、ぼくは気に入ってます。
楽しい、ってすごく大切です。
お時間がある方はぜひ遊びにいらしてくださいませ。
そして織物で楽しんでください!
と、大切な告知を済ませたところで。
2020年の夏は茹で上がるような暑さだけがいつも通りで、その中身となるイベントや思い出は少々味薄めの夏でした。
なにをするにもいろんな制約のある生活、みなさんはもう慣れましたか?
個人的には慣れと飽きが半々って感じです。
これからは新たな楽しみを生み出すアイデアが大切になりそうです。
「ピンチはチャンス」って言葉、ぼくは結構好きなんですけど、今の状況ではちょっと簡単には口に出しにくいです。
多くの業種にとってピンチの度合いが強すぎて…。
そんなこんなで日々の緊張感とか先を見通せない不安とかでストレスが溜まらないように気をつけなくちゃ、と考えていましたが不思議なことに身体は少しラクをしてたおかげで余裕がでてきたみたいで、久しぶりにDIYというか大工作業をしようという気持ちが出てきました。
作業のメインとしては前々から「やらなきゃ」と思っていた2点。
ひとつは工場の中。紋紙をかけ直すときに使用している足場を部分的に広げること。
これは前々から気になっていた箇所で、その大工仕事が終わり、作業しやすくなったついでにジャカードと架物(機ごしらえともいわれるジャカードとタテ糸をつなく装置)の気になる箇所なんかも一緒に調整することができて気分スッキリです。やりはじめると楽しいし充実するんですけど、日々の仕事に追われているとつい後回しにしちゃうクセがあって。
もうひとつのDIYはOLN shopの入り口の改修です。
以前は店内に入る時、入口引き戸のレールの土台となっている柱?(高さ約8㎝くらい)をまたいで、土間に並べてある足場(木材とレンガでパズルのように組ませたもの)を歩いていたのですが、それだと足の不自由な人にはちょっと危なくて。
これまでも少しずつ改良を重ねていたんですけど、今回思い切って床を貼ることにしました。
作業は土日の約2日間。
土曜日は終日作業して、日曜日は早朝からはじめて10時前にはだいたい終えることができました。(なので、そのあとはお馴染みの市民プールへ。)
費用は各種木材、断熱材、塗料など全部含めて約25000円。
これは安いと思います!
片道20分のホームセンターへは計3往復。
これは多いと思います!
今回は作業時間よりもホームセンターで悩む時間の方が長かった気もします。
土間が水平ではないこと(場所によって高低差がかなりある)と、今回行ったスーパービバホームに安価な床板が売っていなかったことなどもあり、事前に考えていた作業工程をかなり変更することに。店内の資材売り場で材料とにらめっこをしながら自分の技術でできそうな作業のシュミレーションを何度もやることになりました。店員さんには不審がらずにいろいろと対応してもえて助かりました。
結果的にはけっこう簡単に、見栄えもそれなりな感じにできた気がします。
久しぶりに大がかりな大工作業をしたんですけど、やったことのない作業でちょっとビビったり、無謀な挑戦かもと考えたりすると気持ちが折れそうになりました。
ちょっと前なら途中で止めてたかもしれません。
「これツライわ」って。
ただ今回はそんな弱気に負けず、粘り腰で完成に漕ぎつけました。
たぶんこれってコロナのおかげじゃないかなって思ってます。
これは本当に。
人付き合いも含めてかなり省エネの生活を続けているおかげで気力や行動力がちょっとずつ補給されてるんじゃないかなと。
もともと気力とノリでなんとか乗り切るタイプなので、
気力の備蓄が枯渇してるとどうにもならなかったりします。
最近踏ん張りがきかない、って痛感してたこともあったので、今回の粘り腰は個人的に手ごたえアリです。
あとワークマンのファン付きベスト、やっぱり重要です。
顔や頭からは汗が吹き出てますけどね。
今回作業しながら思い浮かべてたのは、とあるご夫婦。
しのさんの地元の友人で、以前に銀座伊東屋さんでイベントをした時に遊びに来てくれた二人です。
「今度桐生に来たら寄ってくださいね」と言いつつも、イケメンの旦那さんは車椅子だったので今のショップのままじゃすごく不便な思いをさせちゃうな、って。
時々そのことを思い出して気になってました。勝手に。
ようやく今回改修しましたけど、それでもまだまだ車椅子の方には不便です。
分かってます。
でも、だいぶマシになったなと。
店内入口でみんなで談笑したりはできるようになったな、と。
(その先の段差は…、まだまだしばらく先の話)
たぶんあの二人はもう忘れてるだろうけど、ぼく的には本当にモヤモヤが消えてスッキリしました。
ちなみに実母も義母も二人とも足が悪いので、その点でもよかったな、と実は思ってたりもします。
「小さくとも自立した織物工場」
OLNは「小さくとも自立した織物工場」を目指しています。
何をもって自立とするのかは人によって意見が様々かと思います。
ぼくにとっては困ったときにに自力で何とかできることが自立、かなと思ってます。
協力者を募ったり、それぞれ得意分野の人にお任せするっていう方が今っぽくて合理的でいいのですけど、頼りにしていた存在が次から次へと引退していくこの仕事をしているおかげで「いろんなことで自力を付けておかないと後で苦労する」と考えるようになっちゃったみたいです。
「楽(らく)した分だけ馬鹿になる」っていうのも実感してます。
もともとはそんなまじめなタイプではないんですけど。
でも、そのおかげで何度も身を守れたのでぼくの考えでも間違ってない気がします。
「日本絹の里」
昨年講師として参加させていただいた「日本絹の里大学」。
その内容をあらためて文章にまとめた冊子が届きました。
OLNのパートは求められた以上にかなりこってりとした内容となっています。
というのも、一度これまでの自分たちの歩みを整理したいと思っていたので、スマートさには欠ける文章ですけど一所懸命に書いてみました。
ここでの講義(というか発表ですね)のテーマも「自立した織物工場を目指して」というものでした。
かつて不備なく機能していた産地の分業制も時代とともにほころびが生じ、年々さまざまな技術が消えているのが実情です。
産地と呼ばれる地域には技術がある、と漠然と考えていたぼくも現実と向き合ううちにその浅はかな考えが故の大きな間違いに気付かされました。
「技術とはその技術を持っている人間の手の中にしかない」という事実を知ったからです。
それは作るだけではなく、作ったものを売る技術も含まれます。
OLNは織物業を継続するために、そういうこと全部ひっくるめてやってみようという活動です。
その活動で経験した成功、失敗、これからの課題、いろんなことを含めて赤裸々に書きました。
赤裸々すぎて届いた冊子を読み返してません。
恥ずかしいものですね。
ありのままを知ってもらうのは。
でもこうやって自分の過去と向き合う機会があったおかげで、
一区切りを付けられた気もします。
ちなみに「自立した織物工場」って最初に人前で発表したのはオルンを始めるよりも前のことでした。
経営的にどん底状態の時、会社再建のための授業で考え抜いた発表テーマがそれだったのです。
なのでオルンは厳しい状況に置かれても、いい波に乗れても、織物という仕事へのスタンスや考え方はそれほど変わりません。
いつだって目標は「日々の暮らしを織物で彩る」ことです。
そして「私たちは優れた織物づくりで美的喜び、誇り、豊かさを使い手と作り手の両方にもたらす」のです。
はい。
「新井淳一の仕事」展
80年代、90年代とパリコレで活躍する東京ブランド(イッセイミヤケ、コムデギャルソン、ヨウジヤマモト)へ斬新な織物生地を提供し続けた天才の軌跡です。
実物も数多く展示され、写真撮影もオッケーという産地ならではのサービス。
※もちろん触ってはいけません。
テキスタイル以外の資料なども豊富にあり、当時の桐生産地の勢いのすごさを感じさせてくれます。
手仕事と最新設備、宗教感と民族感と都市生活感、自己表現と素材可能性の表現。ホント混沌です。
新井氏によるさまざまなアイデアもさることながら、
そしてこれに関わった各工程の人たちの熱量にも圧倒されます。
当時の繊維業界の熱気とか喜怒哀楽を否が応でも感じます。
みんなある種の熱病(fever)にかかってたんだろうと思います。
多くの繊維関係者がマッチョで、男性的で。知らないですけど。
もちろん悪い意味ではなく、すごい時代だったんだろうという意味で。
もし、ぼくがその頃織物の仕事をしていたらどう感じていたのだろうと想像しました。
呉服業界だって今と比べたら圧倒的にパワーがあったことでしょう。
でもたぶんやっぱり、今と同じような動きをしていた気がします。ぼくは。
そして新井淳一さんに憧れたり、妬んだりしてたんだろうと思います。
きっと良くも悪くも大きな存在として意識しただろうと思います。
新井氏が縁をつくってここ桐生に移り住んだという人がたくさんいます。
そういった人たちの多くが、ぼくにとっては重要な存在だったりします。
あるいは桐生市にとって重要だったりします。
9月の27日までやってます。
「小ばやし祥千堂」
浅草の新仲見世通りに老舗のお店があります。
お祭りで有名な浅草。
その界隈でお祭りに携わる人たちにとって馴染みのお店です。
現在の屋号は「小ばやし祥千堂」といって娘さんの名前から一文字とった素敵な名前です。
実はその娘さん、つまり小林さんとOLNは昔から一緒に着物の仕事をしてきたのです。
そんな縁もあって8月のリニューアルオープンのタイミングに合わせてOLNのアイテムを数多く取り扱って頂くことになりました。
現在お店のプロデューサー的な役割を果たしている小林さんのインスタはこちら。
https://www.instagram.com/chakikoba/
ぼくは個人的にお父さんがオリジナルで作っているシャツがずっと気になっています。
格好いい男性が着ているから格好いいのか、
シャツそのものがやはり格好いいのか。
たぶんその両方なんですけど、秋物をお届けする際にきちんと確認してこようと思います。
「OLN shop」
入口を直したオルンショップは明日9月3日から通常営業(13時~17時頃)します。
今月の週末営業は5日(土)、19日(土)となります。
9月21日(月・敬老の日)、22日(火・秋分の日)も営業してます。
週末と土曜日の営業時間はいずれも10時~17時までです。
「おわりに」
今月刊OLNを読み返してみたら冒頭に「今の新しい生活様式に慣れと飽きとが半々」って書いてありました。
個人的な原因のひとつはクラブにいけないってことだと感じてます。
クラブでディスコみたいなアレです。
え、その年でまだクラブに行くんですか?って驚く人もいそうです。
あるいは桐生にクラブがあるんですか?って驚く人もいそうです。
行きますよ、ぼくは。
でも今はお店側にとっても厳しい状況なのでどうしようもありません。
お酒と音楽の楽しい時間をまた過ごせる日が来ることを願っています。
「おわりに その2」
それと。
子供の頃は苦手だった「あずきバー」。
今年久しぶりに食べてみるとこんなに美味しいアイスだったんだ!と驚きました。
小豆の粒感やほどよい餡子の味。
なによりもアイスを噛んだ時の絶妙な硬さ。
いい柔らかさではなくて、いい「硬さ」の方の。
もっとカチンコチンなイメージを持ってました。
年を取るたびに好きな食べ物が増えるっていうのはいいっすね。
今月も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
それではみなさんさようなら。
素敵な9月をお過ごしください!