月刊OLN 2022年6月号

ご無沙汰しております。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

こちらは色々と忙しくやっていまして、今ちょうど少し落ち着いたタイミングがきたのでようやく月刊オルン、書いてます。

忙しさの理由は普通にものづくりです。

うちは試作にすごく時間を取ってしまうので、そのしわ寄せはOLNや別注の帯の生産などに及んできます。

途中、東京キモノショーなどで東京出張もありつつ、ここしばらくは休みを取らずに納期に間に合わせようと緊張感の続く日々でした。

そういう訳で少人数の織物工場の営みとしては普通によくある状況です。

ただ、ちょっと前なら「本当に普通の状態」の仕事量だったんですけど、ぼくたち側にもいくつか変化がありまして…。

変化その1。

井清織物の織り子さんとして長年頑張ってくれていたウエ子さんの不在、です。

実は昨年末から体のあちこちが優れないためずっとお休み中です。今までであればしばらくすると元気になって職場復帰をしていたのですが、今回は長引いています。本人的には「もう無理かな」って言ってます。

「暖かい季節になればね」って春先にそんな会話をしていましたが、ちょっと難しいみたいです。

とは言え、ウエ子さん、よく今まで元気にバリバリ働いてくれてたなあって、冷静に考えると驚きです。本当にぼくたちにとって、井清織物の歴史にとって本当に恩人です。

今までは製織に関してはまずはウエ子さんに、って考えでしたけど、昨年末からその前提となってる固定観念を捨て去ることにしました。もう自分たちがメインでやっくタイミングだなと。

いや、コロナ渦が始まった頃、いろんな仕事が全て無くなったあの時、すでに頭を切り替えてましたね。こりゃもう、過去のやり方は通用しないぞって。あの頃は「仕事が織るべきものが何もない」という理由でウエ子さんには休んでもらってました。

あの頃から少しずつ心と体の準備をしてきたので、今回の役割分担の大改革もスムーズに移行できた気がします。

製織作業って単純に時間がたっぷりかかるので、「要領よく倍速で」って訳にはいきません。ぼくらの目指す織物業は「織る」以外の準備や工程が必要とする時間、それに販売にかかるいろんな作業などでも時間がかかるので、これまでとは日々の時間配分が大きく変わりました。

こういうことって意識の問題かもしれませんが、案外「体が慣れるかどうか」が圧倒的に大事だったりします。

強制的に、体をそういう風に習慣付けちゃえば、意識なんて後からどうとでもなるものなのかもしれません。

習うより慣れろ、ってことですかね。

変化その2。

じつは、ぼくの母も数年前から体の具合が悪くいのですが、母の昨年から病状も進んでなかなか大変な日々を送っています。

基本的に父が世話をしているので、父も介護と工場でフル回転中です。

ウチの母に関してはこの先、体調が改善されるってことはない病気なので、薬とリハビリで進行を少しでも遅らせることに専念しています。気持ちとしてはまあ複雑ですけど、「もう、こういうもんなんだな」って受け入れることにしてます。人生、自力でどうにかできる問題もありますけど、どうにもできない問題もあります。

母の病気に対しては周囲からさまざまな反応がありました。

人によっては良かれと思っていろいろアドバイスをくれる方もいます。でもその方々と我が家では環境も金銭的な状況ももちろん違います。なのでアドバイスや指摘が我が家の精神的な負担になったりもしていて。

で、反面教師だってことに気付きました。

「あ、オレも他人に勝手にアドバイスしてるやん」て。笑

もちろんぼくも良かれと思ってでしたけど、聞かされる相手にしてみれば「放っておいてもらえると助かるんですけど」ってことですよね。

助言って聞いてくる人にだけ伝えるべきものなのかも知れないっす。

そんな訳でいろいろ勉強になってます!

(ちなみに今回の月刊OLNは母の通院の待ち時間に書き始めました。予約してても待ち時間て結構長くて。そのおかげで(?)結構はかどりました!)

東京キモノショー 5月28~29日

先月の東京キモノショー、参加された方は実感しているかと思いますが、盛り上がってましたね。こんなに着物のイベントで、もちろん強制的な販売なんて全くなくて、好き勝手に見たり、触れたり、物色したり…。二日間通われてるお客さんも結構いました。

ぼくたちはプラザマームの2階にずっといたので他の会場の状況を知らないんですけど、どこの会場もみんな盛り上がっていたようです。

昨年秋の着物サローネもそうでしたが、キモノファンの熱量、本当にありがたいです。

そういえば初日の早い時間にぼくたちのブースを目指して来てくれた方もいて、「世の中変わったなー」ってこれまた本当にありがたいです。

今回は麻の新作「ひこうき雲」の名古屋帯のお仕立ても何件か受けさせて頂きました。そういう対応も少しずつ慣れてきたように思います。もちろん桐生のオルンショップではいつもやっていることなんですけど、やっぱり出張先でとなるといろいろ勝手が違うので少し緊張もしました。

ただ、いつもにくらべて今回は楽しむ余裕もありました。

会場が「東京カジュアル着物展」や「キモノショーケース」などのBtoBの展示会でいつもお世話になっている人形町のプラザマームということで慣れてもいるし、他の出展者さん知り合いが多くいたし、ブ―スのお隣はKIMONO MODERNさん、お向かいは菱屋カレンブロッソさん、染織こだまさん。普段から取引先として懇意にさせてもらっている方々だったのもあってみんなでいろいろと協力しあってました。

KIMONO MODERNさんとは鏡やwifiを貸し借りしたり、菱屋さんと染織こだまさんとはお客さんにお互いの商品を勧めたり、商品をお借りしてコーディネートの参考にしてもらったり。

そういえば「たかはしきもの工房」の代表高橋和江さんが朝礼で良いことを言っていました。「今日と明日はどんなことがあっても、一日中笑顔で接客しましょう!」って。当たり前かもしれませんが、昨日までずー-----っと工場で難しい顔をして織っていたぼくにとっては「確かに!」って思える一言でした。接客ってそうだよなあ。

そんなことも含めて楽しかったです。

「七緒」2022夏号

先日七緒の夏号が発売されました。

ぼくたちの帯も掲載されていて、なんと表紙。

コットンスラブのへこ帯です。

個人的にはオルンの帯よりも、「白地に気持ちのいい赤」が印象的なゆかたが気になりました。

と思ったら八王子の石塚染工さんの作品。

かつて八王子の坂本呉服店さんで紹介していただいた時にお互いの身の上話(笑)をして、それからのお付き合いになります。

職種は違えど抱える悩みや課題は共感できることが多く、励まし合った記憶があります。

最近はご自身のブランド「型梅」を展開されていて、いろんなメディア掲載や有名ブランドとのコラボ企画で大活躍です。

「よくやってるなー、すごいなー」って感心しています。もちろん上から目線じゃなくて、普通に。

むしろ、羨望のまなざしです。

型染職人さんがオリジナルのブランド立ち上げたり、いろんな活動したり。たぶんぼくが想像するよりもいろいろと大変なことを乗り越えているんだと思います。

そうやってぼくたちの同世代やもっと若い人たちが、新しい職人の在り方をどんどん更新していっています。今はきっとそういう時代なんだと思います。

おわりに

高校生の頃、ぼくにとって面白い大人=「タモリ俱楽部」に出てくる人たちのことでした。

最近、山田五郎のYouTubeにゲストとしてみうらじゅんが出ていました。

で、やっぱり面白くて。

東京での独り暮らしでは漫画「アイデンティティ」がバイブルの一つだったし、最近もエッセイを読んでたりしてました。

青春時代、いつの間にか憧れや目標みたいな存在になっていたみうらじゅん。

結局あんな感じにははなれなかったな、って少し感傷的にもなりつつ、昔はまったく想像もしてなかった今のぼくの人生。これも相当面白いことになっていて十分満足です。

とまあ、そんな感じの今日この頃です。

みなさんも紫陽花を眺めたりして日本の梅雨を楽しくお過ごし下さいませ。

ではまた来月。

月刊OLN 2022年5月号

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