月刊OLN 2022年10月号

こんにちは。

いかがおすごしでしょうか。

ぼくたちはと言えば…。

コロナのおかげで京都での展示会に参加できなくなった分をなんとか取り返そうと東京での展示会に参加したり、納期のある別注もののスケジュールもあせりつつ、OLNの秋冬新作の進行は言うまでもなく、みごとに大慌ての日々を元気に過ごしております。

では早速。

東京カジュアル着物展@東京・人形町(9月16~17日)

キモノショーケース@京都に行けなかった分を取り返すぞ!と臨んでみたものの、現実はそれほど甘くはありませんでした。

この業界、やはり京都が商談の中心になっているのです。

しかし、それでも東京開催の展示会でなければ商談できない方たちを中心に、いろんな方にお会いすることができました。ありがとうございました!

カリスマ小売店オーナーの講演会も実践的な内容で勉強になりました。

みんなそれぞれ自分にあった方法を見つけてますね。

有松鳴海絞りの産地見学(つくりべの会全国大会)

9月の終わりに産地見学に行ってきました。(つまり最近のことです。)

これは「全国つくりべの会」といって、今回は北海道から沖縄まで着物に関わる作り手たちが一度に集まり、産地見学や意見交換の場となっています。

今回は全国から集まって、その数、総勢50人。

ご時世もあるので人数制限をして、この人数です。

有松絞りの産地の特徴はなんといっても昔ながらの分業を維持している点。

それに加えてSUZUSANさんのように新たな挑戦に挑む会社もあって。

産業観光としても、戦争で被害を受けなかったおかげで残る古い建物と、それらの景観に合わせて建てられた新しい建物が違和感なくならぶ街の景観が見事。

土地としての地力をすごく感じました。

個人的には二日目に行われた吉田満梨先生(神戸大学大学院准教授)による講義がすごくて。

「Effectuation(エフェクチュエーション)」という聞きなれない、意思決定のメソッドを教えて頂きました。

聞き馴染みのないのは当然で、アメリカで出版されて話題になったものを翻訳、監修した一人が吉田先生自身であるとのこと。

まあ、その講義が予想外に面白かったのです。(失礼しました!)

ほんのちょっとだけ内容をお伝えすると…。

エフェクチュエーションとはアメリカの研究者サラス・サラバシーさんが提案する思考様式のことを指します。

彼女によれば「産業・地域・時代によらず、優れた起業家は問題解決ために共通の論理・思考プロセスを活用している」そうで、それはどのような特性を持つ人でも学習可能であるとのこと。

実際、ウチのような家族だけでやっているような会社であっても、いやむしろ、そんな人たちにこそ活用可能なメソッドでした。

予算も外部コンサルタントも新たな設備投資も必要とせず、とりあえず今持っているものだけでいかに挑戦し、アイデアを生み、未来を切り開こうかというものです。

この講義を聞き終えた時、というか聞いている最中からワクワクしていました。

桐生に返ってきて数日経って、こうやって月刊オルンを書いている今日ですら、いまだにワクワクしています。

早く書き終えて、早速、ある人に会いに行こうと思っています。

ちなみにアマゾンで六千円くらいです。
ちょっと高いですね…。

でも評価は☆四つ以上でコメントも40件以上。

かなりの高評価です。

一般のビジネス書というよりは専門的な学術書のような位置付けらしいですけど、読後の感想は、どれも皆さん興奮したようなコメントで、その熱が伝わってきます。

いちおうリンクを貼っておきます。
「エフェクチュエーション (【碩学舎/碩学叢書】) 単行本」

それと、今回のつくりべの会。

今まで以上にいろんな産地の方と仲良くなることができました。

そこで気付いたことは「作ってる人ってみんな人見知りなのかも知れない」ということです。

今回は桐生から参加したのはぼく一人でしたが、それがむしろ良かったのかもしれないです。

頼れる人がいない代わりに、いろんな方と交流を持つことができました。

同じ産地から何人も参加している人たちはどうしてもそのメンバーで固まりがちです。

それは居心地がいいかもしれないけど、新たな出会いや気付きのタイミングを逃してしまいがち。そんな気がします。

産地の展示会に出なくなってもう数年経ちますけど、そうなってからの方が圧倒的に学ぶことが多く、濃い時間を過ごしているのも同じ理由だと思います。

ota city market@群馬・太田市(10月1日)

本当は第一土曜日(昨日がそうでした)はオルンショップの営業日なのですが、今回はお隣の太田市で行われたイベントに参加してきました。

10月ということで秋冬物をたくさん用意していたのですが、まさか(?)の猛暑!
天気予報通りどころか、それ以上に!

もっともお客さんにとってはイベント日和のようで、食事もソフトドリンクも生ビールもよく売れていました。

ぼくらの商売としては正直、大苦戦でした。
「作ったものを売るのってこんなに大変なんだな」というのを久しぶりに痛感しました。

それでもわざわざオルンで買い物をするために来てくれたお客様もいらっしゃいました。
本当にありがたい限りです。

帰りの車の中でしのさんと今日の感想を言い合ったのですが、二人とも共通していたのは
「お金のことだけで言ったら厳しい結果だったけど、すごく刺激になったね」ということ。

富岡おかって市場での「動楽市」でもそうですけど、毎回、他の出展者からすごく刺激をもらってます。

やっぱり、運営側も出展者も、もちろん来場者も、好きだから、やりたいからやってます、っていうのがいいんですよね。

頼まれたから仕方なく嫌々参加してます、っていうのはやっぱりお互いに良くないんだと思います。

いい刺激を受けるっていうのは時に辛い時もあるけれど、なんだか青春な感じです。

こういう日の打ち上げ(自宅での)は、やはり大変盛り上がったわけで…。

おわりに

前回の月刊オルンからたったの2週間で実に様々なことがありました。
ここに書いていないことも結構あって。

コロナで一度いろんなことが停滞した感じがあったんですけど、その後いろんな刺激を受けたことで初心に返ったり、ヒントがあったり。

なんか起爆剤を大量に浴びた2週間だったようです。

それとキューピーコーワゴールドがすごくいいです。

テレビのCMなどでも聞き馴染みのある、いわゆるアレです。

ぼくの体にはあってるようで「休んでも抜けない疲れ」が無くなりました。

季節の変わり目、ぼくは結構体調崩しがちです。
皆さまもくれぐれもご自愛くださいませ。

今月はこの辺でお別れです。

それでは素敵な10月をお過ごしください。

ではー。

————-

追伸。

月刊オルンの下書きを書いて、夕ご飯前に「会いたい人」に会いに行ってきました。(例のエフェクチュエーションの実践です。)

目的地は現在ベル―リアさん(高崎、鎌倉にも店舗を持っている桐生の洋服のセレクトショップ)が民芸のイベントを行っている古民家、の離れの「藺草(いぐさ)カフェ」。(正式名は違うはずですが、とにかく「イグサ」)

そしたらなんと別の「会いたい」と思っていた人もそこにいて、まとめてお会いすることができ、それぞれじっくり話すこともできました。

なんとも効率が良く、純度の高い夕方を体験してきました。

ラッキー!

月刊OLN 2022年9月号

月刊OLN 2022年11月号

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