月刊OLN 2022年4月号

こんにちは。

皆さまいかがお過ごしでしょうか。

我が家では長男の中学校入学式も無事に終わり、ちょっと落ち着いたところです。
オルンを始めた頃はまだ保育園児だった彼もいっちょ前の学ラン姿です。

でも、仲の良かった男子二人が別の中学へ進学したため、ちょっと寂しさもあるようです。
それとサッカー部に入りたかったようですが、メンバーが足りず部活自体が継続できなそうとのことで困っているみたいです。

一方ぼくには4月に入って異動のメールが何通か届きました。

その中には本当にお世話になった方からのもありました。

その方は地場産業や繊維業界などに関する知識が全然ないところから始めたのですが(当たり前ですけど)、事業者が出展するイベントをプライベートで見に行ったり、休日を使って個人的に勉強会に出向いたりするような人でした。

なんでそんな個人の行動を知っているのかというと、その方が参加していた「群馬県の絹産業の勉強会」というものにオルンがたまたま一日講師になったことで気付いたのです。

最初にご挨拶をさせて頂いた時に「何にも知らないので色々教えてください」って言ってたんですけど、あれって社交辞令じゃなくて本気で言ってたんだ、って驚いたのを今でも覚えています。

ぼくたち事業者に対する態度も誠実そのものでした。

こんな熱心に取り組む人がいるんだなあ、って。

普段あんまり心を開かないぼくですが、その方のことは信用するようになってました。
いつのまにか。

なので異動の連絡が来てちょっと残念な気持ちになりつつも、
そういう「人の熱意とか誠意」とかって、いつの間にか人の気持ち、
おまけに行動やなんかも変えてくれることってあるんだなあって気付かされました。

今回はそんなことを書いています。

「人の効用」

オルンを始めて良かったことの一つが人との出会いにすごく恵まれたことです。

その前にだってもちろん沢山ありました。

でもやっぱり出会う人の幅がすごく広がった気がします。
職業の幅だけで言ってもすごく。

それまでは桐生の織物関係(主に和装)がほとんどでしたが、
気付けば日本各地のいろんな繊維関係者(以外も)の方々にお会いできるようになりました。

染め(といってもシルクスクリーン、絞り、草木染などいろいろあります。)関係、ニット、刺繍。
糸のメーカー、後加工の専門業者。

いろんな形の小売業、流通業、デザイナー、アーティスト。

そして役所とか学校とかなんとか法人とか、いろんな立場の人たちも。

その人たちの世代も幅広くて。

年齢といえば近頃は自分よりもずっと若い人たちに、すごく多く出会ってます。

ぼく自身が歳を重ねたのもあるけど、それだけじゃなくて、
井清織物がもともと身を置く和装や桐生の織物業ってやっぱり高齢化が進んでいるんだろうなって。

(ちなみにぼくはいまだに桐生織物組合の中にある「内地織物青年部」所属です。
今の状態では新人さんが入る予定もあまり見込めないので、メンバーが増えるまではこの先も仕事を引退するまで青年部の予定となっております。冗談みたいだけど本当の話で。)

そんな中、この一年の間に沢山知り合ったのが山梨県の織物産地「富士吉田」の人たち。
昨年から続く産地間交流のイベント「サンチカンマッチ」のおかげです。

ふふふの大小(読み方は”たいしょう”)さんと富士吉田の藤枝さん、森口さんとで色々企画していただきました。

で、関わる人たちに若い方が多いこと。
ぼくがもともと年齢とかをあまり気にしてないのでよく分かってなかったんですけど。
最近気づきました…。

同世代や先輩とかもいますけど、
中心となって動いているのはだいたい20代後半から30代半ばくらいが多い印象です。

でもそんな若い人たち、ぼくよりしっかりしている人たちばっかりで驚きます。

いやー、みんなちゃんとしてます。

例えばいろんな企画の中心となっている藤枝さんですけど、
「工場見学は職人さんたちの邪魔になるので適当には提案できません。」
っていうポリシーがあるのを知って驚きました。
これは現場での経験や、現場に対する思いがないと出てこない考え方なんです。
気配りの人なんだなって。

赤松さんはひょうきんでムードメーカー。
ホントは頭が良くて実務能力に長けてるっぽいんですけど、そういう部分をユーモアでうまく隠すことで相手を緊張させない優しい人。
そして、いつの間にか人の懐に入りこんでいる、そんな人。

森口さんはいまだに何の人なんだかよく分からないです。
だけどウラオモテなくて、この熱意そのままの人なんだなって思ってます。
テキスタイルとかファッションとか富士吉田産地とか。
今情熱を傾けているもののために真正面から全力で頑張ってる、そんな人です。
だからぼくもいつの間にか心を開いてしまったんだと思います。

右側のベレー帽の方が藤枝さん。ニットデザイナー、布博の運営とかを経て今の活動に。
左が赤松さん。マスクをとると口ひげがあります。
この方が森口さん。たぶんお酒好き。

いろいろ訳あって、ぼくはここ数年間ずっと「人に会いたくない病」だったんですけど、
富士吉田のみなさんのおかげで、ずいぶん改善されたような気がします。

ここから写真をいくつか紹介するんですけど、見学に夢中でちゃんと撮ってませんでした…。
ご理解のほど。

富士吉田産地の解説をしてくれた技術支援センター、五十嵐さん。
産地のブランディングに10年かけてきて、その結果が「人物相関図」と「年表」にまとめられてました。
この2つは全国に参考資料として配布すべき貴重な資料!

羽田忠織物さん↓

丸幸産業さん↓

舟久保織物
気付いたら舟久保君に困ったことがあったら助けたいって。

槙田商店さん↓

翌日のイベントでは念願のrumbe dobby(ルンベ・ドビー)さんと色々とお話させてもらいました。
ルンベさんは織機からドビー装置やジャカード?まですべて自作で作ってしまう変態(いい意味で)な人です。前から気になっていてSNSでフォローしていました。

ルンベさんの素敵な織柄のコースター。
オルンの織物とも相性良し。

みんな自分の興味のあること(仕事)に熱中していて、いつの間にか周りの人と繋がったり、巻き込まれたり。

富士吉田はそんな素敵な産地でした。

ー--

ちなみに。

今回の産地間交流のイベントに誘ってくれたのは「ふふふ」の大小(たいしょう)さん。

大小さんはオルンを始めたすぐの頃、八王子から産地見学として桐生に来たチームの一人として知り合いました。
奥様のリオさんもその時に。

当時はぼくが完全に心を閉ざしていた真っ最中。
そんなぼくを夜、居酒屋に誘ってくれていろんな話をしました。(内容は覚えてないですけど。)
すごく嬉しかったし、ありがたかったです。

その時、桐生と八王子をつないでくれたのは桐生整染・SILKKI(シルッキ)の川上さん。
今は結婚して服部さん。
(でもぼくは川上さんって呼んでます。)

彼女には足を向けて寝れません。

SILKKIの靴下、コルミオで買いました。
いい感じです。
みなさんもおひとつどうぞ。

最近、シルッキのお店も出来たそうです。
行ってみたいです。

八王子といえば奥田染工の奥田さん。
強引な奥田さんのおかげで無理矢理心をこじ開けられた気もします。

でもその奥田さんのおかげで坂本呉服店さんと知り合うことが出来ました。
坂本さんがオルンの織物を評価してくれることでぼくたちは勇気づけられたし、成長も出来たと思います。
すごく大きな出会いでした。

いやあ、ありがたい。
いい話ばっかりです。

人生捨てたものじゃないですね。

今パッと思いつくまま書いてみましたけど、他にも沢山いますね。
ほんとに。

中には後からじわじわと思い出す人もいます。

出会ったときはたぶんぼくの心の受信状況が良くなくて。
でも、後日、いろんな経験をしていくうちに
「ああ、こういうことなんだな」って感じたり。

他にも京都の丹後や山形の鶴岡、いろんな産地や職業の人たちと出会うことで
刺激を受けたり勉強になったり、励まされたりしてます。

微電流のような刺激をいろんな方たちから受けてます。

低周波治療器のように身体をほぐしてもらってます。

ぼくも誰かにとって刺激を与えられる存在になれてたらいいなあって思います。

はい。
うまくまとまった気がします。

富士吉田の駅を降りたホームにあるフジファブリックのこれ。
ハタフェスで聴いた「若者のすべて」も、その後にじわじわ来ます。
余韻ってすごく価値がある。

半巾帯「en coton(エンコトン)」

父が今ずっと織っているのが綿の半巾帯「エンコトン」。
おかげさまで好評です。

織った後は一度洗いをかけたり、干したり、それから両端に千鳥をかけています

ちなみにこの織物は、しっかり水を通して乾かすと1割くらい長さが縮みます。
柄によって縮み方も違いがあったりするので、最初の頃は結構苦戦してました。

最近は織り以外のノウハウも確立できてきました。

おかげさまで評判もよく、オルンの定番となってくれたようです。

“en coton”「エンコトン」と読みます。

エンコトンはフランス語で「コットンで…」という意味。
言葉の持つのどかな響きと、綿素材の特徴を最大限に引き出せたという手応えからこのネーミングになりました。

綿100%といっても、使っているのはそれぞれ特徴の異なる3種類の糸。
それらの素材をジャカード織りでしっかりと高密度に織り上げ、さらに洗いにかけることで素材の毛羽感や立体感をより感じられるようになった大人の半巾帯です。

綿素材ならではのほっこりとした優しい表情とOLNらしいカラーリングが特徴です。

リバーシブルに使えるように工夫して織っているので、どちらの面も活躍してくれます。

半巾帯ですが帯揚げ、帯締め、帯留めなどの小物を使うコーディネイトも素敵です。

— 着用時期 —

浴衣の時期はもちろんですが、単衣、袷(あわせ)、どんな季節に着用しても問題ありません。

合わせやすい着物は浴衣、木綿や麻などの織りでできたもの。
絹であれば紬のテイストを感じるものが相性良いのでおすすめです。

— お仕立て —

こちらの商品はお仕立て済みですので、そのままご使用いただけます。

— お手入れ方法 —

着用後は陰干しをして汗を飛ばしてあげてください。

ご家庭で洗濯をする時は中性洗剤を使用し、手洗いがおすすめです。
ご自身のお好みで柔軟剤、あるいは洗濯糊を使用し下さい。
もちろん中性洗剤だけでも大丈夫です。

脱水の目安は水滴が少し垂れる程度です。
軽く手で絞るか、洗濯機の脱水機能で1分間が目安です。
※きつく絞ったり、洗濯機で長めの脱水をすると取れないシワが入ることがあります。

完全に乾いたらアイロンのスチーム機能を全開にして当ててください。
当て布をしなくても大丈夫だとは思いますが、念のため、目立たないところでアイロンを試して、テカリが出ないことを確認してから作業することをお勧めします。

アイロンにスチーム機能がない場合は、完全に乾ききる前(少し湿っぽさを感じる程度)にアイロンを当ててください。

寸法:幅約16㎝ 長さ約380~400cm※詳しくはお問い合わせください。

品質:綿100%

価格:22,000円+税

4月の予定

今月は出張はナシ。

生産が遅れ気味のリネンの帯(ひこうき雲)をひたすら織ってます。

5月は忙しそうです。

5/8(日)富岡・動楽市

5/15(日)太田シティマーケット

5/28(土)・29(日)日本橋・東京キモノショー

皆さんにお会いできるのを楽しみにしております。

おわりに

ぼくも誰かの刺激になっていればいいな、って書きましたけど、もうそうなってるんじゃないかな、って思えてきました。

それはぼくだけじゃなくて、たぶん誰もが誰かのいい刺激になってるってことだよなって。

アドラー先生が言っている「人は存在するだけですでに価値がある」っていうのはこういうことなんだと思います。

今の時代、良くも悪くもSNSのおかげでいろんな情報発信を目にすることができます。
そのおかげでいろんな刺激を毎日大量に受けています。

けど、たまに刺激過多になりすぎてそれがストレスになることもあるので、そういう時は投稿だけして人の投稿は観ないようにしてます。笑

やっぱり低周波ぐらいの、心地よい程度の刺激が健康には良さそうです。

それでは、みなさんにとって素晴らしい4月でありますように。

また来月!

月刊OLN2022年3月号

月刊OLN 2022年5月号

関連記事

  1. 月刊OLN 2020年1月号

    新年あけましておめでとうございます。OLNshopは本日1/4よりゆるやかに動きはじめます…

  2. 月刊OLN2021年8月号

    みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。こちらは案外元気にやっております。もちろん梅…

  3. OLN shop店内 春

    月刊OLN 2019年5月号

    <はじめに>毎日あっという間に過ぎていきます。でもそれは振り返った時に感じるもので。こ…

  4. 月刊OLN 2020年7月号

    みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?早速ですが、ぼくは困っています。月刊OLNを…

  5. 月刊OLN7 2019年7月号

    みなさんこんにちは!いかがおすごしでしょうか。私たちのいる桐生市では少しずつ湿度と気温が上がっ…

  6. 月刊OLN2022年1月号

    新年あけましておめでとうございます。お正月の桐生は赤城山から吹き下ろす"からっ風"がすごい…

  7. 月刊OLN 2019年8月号

    8月にはいりました。日照時間が少ない!と心配していたのも何のことやら。梅雨が明けるといつもどおりの…

  8. 月刊OLN 2022年5月号

    こんにちは。木々の緑がグッと鮮やかになってきました。皆さまいかがお過ごしでしょうか…

PAGE TOP