月刊OLN 2021年3月号

みなさんこんにちは。
3月に入りました。
みなさんはいかがお過ごしですか?

ぼくたちの住む桐生市では大寒あたりから始まった真冬の厳しさがやわらいで、なんとなく穏やかに感じられる時間が増えてきました。
でもその一方。
風はものすごかったです。
そんな2月の終わりでした。

いろんなものが吹き飛ばされそうになってました。
オルンショップの窓ガラスも「ガタガタガタガタ!」とうるさかったです。笑

ショップがオープンする時に新しく作ってもらったガラス窓と、あえて昔のものをそのまま使っているものの2種類があるのですが、やはり昔のものが鳴ってます。
ガラスと木枠の溝との間のすきまが大きいみたいで。
コーキングとかで解決すればいいのかなあなんて頭でシュミレーションしてます。

過去のものと今のものとをアイデアで共存させる、というのは
昔からぼくにとってのテーマというか好きなことの一つです。

古くてもいい感じになりそうなものにはアイデアを加えることで、新しい使い道が発見できたりします。
そうやって今のものと混在させることで、誰も見たことがない世界が生まれます。

そういう楽しみはDJをやっていた時に徹底的にやってきました。
これはぼくだけではなくて、世代的にそうだった訳で。
現代の音楽と古い音楽(ソウルやジャズ)とを違和感なくつなげて、いかに独自の世界観をつくるか、という。

新しいものはもちろんチェックしてるけど、むしろビンテージなものの方がカッコいいんじゃないか?という価値観でした。
(おまけに古着屋、古本屋も好きだったタイプです。)

その代わりに捨てるのが下手だったりもします。
意識しないとものがどんどん増えていくタイプです。

これは父も母も共通した弱点です。

ところが。
先日、我が家の模様替えをしたときに驚きの発見がありました。
現在小学1年生の長女、モノに対してめちゃくちゃドライでした。
あんなに可愛がっていたお人形ちゃんたちとも、サバサバとお別れを済ませていきます。
「最近はもう遊んでないからね~」とニコニコ顔でテンポよく断捨離です。
…頼もしいです。(しのさんに似たんでしょう)
巨大なぬいぐるみも半透明のゴミ袋でびっくりしてます。

井清織物

有限会社井清織物は2月が終わった時点で設立から68期が無事終了いたしました。(はじめて読んで頂く方へ。井清=イノキヨって読みます。)

なかなか経験のできない貴重な一年でした。
どこも同じだったと思います。

さすがにこの一年、厳しい状況だったのは間違いないのですが、
それでも今まで積み重ねてきたことが少しずつカタチになってきたことを実感できた一年でした。
この「少しずつ」っていうのがオルンの形なんじゃないの?と最近は感じてます。
どんなときでも少しずつ成長。
そういう粘り強さはあるかもしれません。
なんせコロナが来るよりもっと前から、大不況(ウチだけの)を乗り越えてきたぼくたちなので。笑

それはさておき68期です。
昨日(3月1日)からは69期目。(建物が古いのでもっと歴史がありそうですが、案外たいしたことないんです。)
でも織物工場としてはそれよりも前に稼働していて、戦後になってから本家から独立する形で今の屋号である井清織物となったようです。

創業者は井上清さん、つまり僕の祖父、おじいちゃんです。
しかし早くに亡くなったため会ったことがありません。
ウチの父もまだ高校生だったようです。
(で、父の兄(まだ21歳くらい!)が急遽2代目として継ぐこととなります。)
実は亡くなる数年前に母屋とメインの工場を全焼してしまい、
その心労がたたったんではなないかとの話です。

ぼくが子供のころから神様、仏様、おじいちゃんって感じで想像上の人、伝説の人物っていうイメージでした。
実際、困ったときの神頼みではなく、「おじいちゃん頼み」をよくしてました。
心の中で「おじいちゃん、どうか助けてください…」という。

10年以上も前のこと、祖母もまだ元気だった頃、井清の原点を探りたくて質問したことがありました。
「おじいちゃんてどんな人だったん?」と。
祖母の記憶では
・毎日朝から作業服を着て工具を持っていた。
・真面目で堅い人
らしいです。
今までそういう質問をしたことがなかったので、なんか新鮮でした。
やっぱり現場の人間だったんだなと納得もいきました。

ちなみに父は
「ガハハハッ、そんなことねえよ!」
という反応。
ここでは細かいことは割愛しますが、苦労知らずで育った息子よりは、ともに苦労を分かち合った妻(祖母のこと)の意見の方が信ぴょう性が高いと思います。

祖母によれば戦後は残っていたクズ糸、残糸で半巾帯を作るところから再開したそうです。
鉄製の織機はすべてお国に供出してしまったので、もうありません。
夫婦二人で手織りからはじめて、少しずつ仲間が増え、機械も少しずつ調達して、という風だったそうです。

ちなみに祖母は亡くなる直前まで気丈な人でした。
手先はかなり器用で、タテ糸を結ぶいわゆるタテつなぎに関しては誰よりも早くて正確だったそうです。
祖母の実家は名門の機屋さんで、嫁ぐ前には織物に必要な技術を叩き込まれたそうです。
(ちなみに料理は一切できません。これもまた、すごい衝撃の事実でした。)

ぼくがこの仕事に着いてから出会った大ベテランの皆さん。
揃って景気が良かった頃の話をするのですが、
現役世代としてはその話に乗る余裕は全くありませんでした。
そんなこともあって井清では昔話を基本的に禁止しています。笑

とにかく今を一生懸命に生きたいのです。
でも、たまに過去のことに思いを馳せたりもします。
温故知新。
なにかのヒントになったりもします。

「東京カジュアル着物展」

来週には東京カジュアル着物展が開催されます。
3月9日、10日です。
今年も業界全体としては厳しい予想の声が聞こえてきますが、この展示会はポジティブな雰囲気になると思います。
出展者のモチベーションもそうだし、みんなで協力し合おうという空気がいいのかもしれません。
会場でお会いできるのを楽しみにしております。

「POP UP / 菱屋カレンブロッソin東京ミッドタウン」

3月の後半ですが、東京ミッドタウンの中にある菱屋カレンブロッソさんで
OLNのポップアップをやっていただけることになりました。
3月27日、28日はぼくたちもお店にいます。
この告知はあらためてインスタやFacebookで。

「4月の予告 : 雪駄、草履のオーダー会」

昨年とても好評だったOLNオリジナルの雪駄と草履。
調子にのって今年はOLN shopでオーダー会を開催します。
オルンのオリジナルの花緒とカレンブロッソさんの台をあなたのお好みで組み合わせてください。
詳しくは後日あらためて!

「ユカタショーケース京都」

2月の1,2,3日と行ってきました。
実は一人で京都出張というのはほとんど経験がなくてかなりドキドキでした。
(よく考えたら去年も2月にdialogueという別の展示会で行ってましたけど…)
今までは織物組合の皆さんと一緒に行っていたので新幹線のチケットも宿泊先も準備してもらっていたので寝坊だけしなければ大丈夫でした。

もともと京都の呉服業界にビビっていたこともあって、変な緊張感があったのですが、やってみると案外できるもんですね。

今年はコロナの影響で自由席はガラガラだし、ホテルも前日の予約でも十分だし、ホテルから展示会場(マスギビルさん)まで徒歩3分なので道に迷うこともないし。

ぼくも少し大人になりました。

リーダーの寺本さんをはじめ本当に皆さんのおかげで良い展示会になりました。
それと、ご来場いただいたみなさまありがとうございました。
お会いできて嬉しかったです!

「おわりに」

去年やりかけたけど完成しなかったもの。
やろうと思ったけど全くやらなかったもの。
ついに今年やるべき時が来た!と思えるもの。
しっかりと形にしていきたいと思います。

でもそのために捨てられるものはどんどん捨てて身軽になって、時間と空間のスキマを空けておかなくちゃいけません。

上手くいくように久しぶりにおじいちゃんにお願いしてみます。

みなさんもよい3月をお過ごしください。

では!

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