月刊OLN 2022年7月号

ごぶさたしております。

まさかの6月の梅雨明け。それ以降、猛暑が続いた日々でしたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

体調を崩したりしていませんか?

ぼく的には夏の猛暑の対応に慣れてきたようで、しんどいながらも健康的に日々を送れています。(各種のあらゆる扇風機的なものを総動員しながら、です)

ちなみに数日前、自転車で転んでしまい体のあちこちに擦り傷、切り傷をつくってしまったおかげで強制的に仕事のペースが落ちました。

でもそのおかげで、少し息抜きができたというか、いい意味で緊張感を解くことができたみたいです。

ウチの紫陽花たちも梅雨が明けたと途端、みんな一気に枯れたのですが(ものの見事に!)、最近は新たな花が咲いたり、すでに新しい芽が出たりしています。

人も植物もなんとか新たな環境に馴染みながら前に進んでいるようです。

つくるとつたえるのバランス

そんな訳でで今月も工場作業で日々、頭も体もパンパンです。

余裕がなくて、この月刊オルンも7月半ばになってきた今になって書いてます。(ぼくのキャパが小さいから、とも言えますが)

今は取引先の小売店さんのための帯を織っています。いわゆるOEMっていうやつです。

※OEMとは自社ブランドの商品ではなく、取引先のブランド商品を製造することです。産地としてはいかにOEMの仕事を受注できるかが重要になってきます。

※在庫を持つ必要がなく、ある程度数量、金額がまとまる仕事で、自社ブランドを持たないメーカーであれば生産量の100%がOEMだったりします。

すでにあるオルンの織物をベースに新たにアイデアを生んだり、新たな素材や要素をイメージに合うように付け足したりして、お客さんの要望に沿った別注品(=OEM商品)を完成させます。

この「新たな」っていう部分が結構ポイントで。

お客さんの描くイメージなので、ぼくたちでは思いつかない発想だったり、感覚だったり、ということが当然あります。それを具現化するためにはぼくたちもやったことのないことに挑戦することになるのです。

もちろん新たな試みなので手探りで始めます。考えている間も、試作に取り掛かるときも、失敗も含めて色々とテストしている時もずっと「その作品が上手くいくには?」という考えがずっと頭から離れません。

なのでようやく完成して、発送して、お客さんから確認の連絡をもらえるまではずっと緊張しっぱなしで、もちろん疲れます。

でもおかげで毎回「新たな」何かを身に付けることができるのも事実で。
なので貴重な経験を積める仕事なんです。

OEMって。

で、その一方。

今の井清(いのきよ)織物は最小人数で織物業をやっているので、営業専門のスタッフなんて当然いません。なので工場作業が忙しくなった分、販売のお手伝いにいく余裕がなくなりました。

そんなこともあって、以前よりはイベントの参加を減らしています。

むしろ今はオルン商品の卸先が少しずつ増えたおかげで、販売は販売のプロにお任せして、僕たちはものづくりにより集中できるような環境が整いつつあります。

そして無理のない範囲でオルンショップや、ウェブショップを運営し、時折販売イベントに参加するという、今のぼくたちにとって最適なバランスでやれるようになってきた。最近はそんな感じです。

数年前に参加していた勉強会で、コンサルタント役の講師に「井上さんたち自身が熱心に商品説明しなくても売れるようにならないと」と指摘されたことがありました。

確かにぼくたちの生命線は「モノづくり」です。

いかにモノづくりに時間と資源を多く割けるか、です。

それがあった上でのそれ以外の活動です。

そんな意味でも、OLNの商品を取り扱ってくれている小売店の皆さんが、ぼくたち「つくり手」の代わりに(いや、多分それ以上に)「伝え手」として、「使い手」である皆さんへ価値を届けてくれている今の状況に感謝しています。

「ニッポンID」@新宿高島屋1F 7月20日(水)〜26日(火)

昨年大好評だったイベントに今年も参加いたします。

6月29日からはじまった「ニッポンID」はトータルで4週間のイベント。オルンが参加するのは最終週。この第4週目のテーマは「洋服時々着物」。

〈参加ブランド〉
・オルン
・Shi bun no Sun
・たかはしきもの工房
・T.O.D
・itsuka glass works
・coten
・傳(tutaee)
・守谷努(ステンシル・ワークショップ)
※HP掲載順

着物や浴衣だけでなく、アクセサリーや小物系の人気ブランドまでもがズラッとって感じです。

これは昨年(2021)の会場

しのさんが在廊するのは20(水)、22(金)、23(土)、24(日)の4日間なのですが、不在日も頼もしい助っ人、ちとせきもの(@chitose_kimono)さんにお願いできることになりました。ちとせさんとは菱屋カレンブロッソでのポップアップをはじめ、いろんな場所でご一緒することがあり、オルンの帯を好きでいてくれているということもあってお願いしたところ、ご快諾して頂けたのでした。

今まであればしのさんの不在日はぼくが工場作業を止めて在廊したりしていたのですが、ちとせさんのおかげで、お客さんに不便をかけることがなくなり一安心です。

オルンの今の仕事のやり方、バランスは、やっぱり色んな方々のご理解とご協力があってのことなんだな、って噛み締めております。

↓そんな訳でイベントの詳しい情報はコチラです。

https://www.takashimaya.co.jp/shinjuku/nippon_id/index.html

おわりに

今月も最後までお読みいただきありがとうございました。

この月刊OLN、最近は手紙の気分で書いてます。

もちろん返事が来ることはないんですけど、静かに淡々と続けていこうと思っています。

今後とも宜しくお願い致します。

すぐに8月が来ちゃいますが、それまでみなさんさようなら。

では。

月刊OLN 2022年6月号月刊OLN 2022年6月号

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